グルジアヨーグルト(カスピ海ヨーグルト)の自分流の作り方
注意!あくまで自分なりのやり方を紹介しているものであって、同じやり方でうまくいくとは限りません。
自己責任でご利用ください。発酵に失敗しておなかを壊しても知りません。
東ヨーロッパ土着の種菌を使ったヨーグルトの総称、だと思う。
世間的には「カスピ海ヨーグルト」という名前の方が通りがいいかも知れないが、
我が家では種菌をくれた人が使っていた名前である「グルジアヨーグルト」で呼んでいる。
市販のプレーンヨーグルトより酸味が控えめで粘りが強く、
そのまま食べても、料理の隠し味や製菓にも使える万能ヨーグルト。
自家製ヨーグルトは手間やコストの点で敬遠する人がいるが、
グルジアヨーグルトは非常に丈夫な菌なので、とにかく手間がかからないのが魅力。
「牛乳パックをそのまま使う(別途容器不要)」「常温発酵」「冷蔵庫に何ヶ月か放置しても死なない」
かつて断念した経験のある人でも、これなら続けられるのではないだろうか。
一番確実な入手法は「信頼できる知人からもらう」これに尽きる。
ただしそのような都合のいい知人がそうそういるとは思えないので、通販での購入が現実的か。
自分の使っている菌の出所が不明なので具体的なアドバイスは不可能。
菌が手に入ったら、用意する材料はパック詰めの牛乳のみ。必要な設備は冷蔵庫のみ。
念のために言うが、「加工乳」や「乳飲料」では駄目。成分無調整の「牛乳」を使おう。
封を切った直後(重要)の牛乳パックに、発酵済みのヨーグルトを大さじ1〜2杯入れる。
(顆粒などで買った場合は、素直に指示通りの分量を入れるべきだろう)
あとはティッシュペーパーと輪ゴムなどを使って、ゴミが入らない程度のカバーをして、
(空気が必要なので密閉にしないように)
常温で10時間前後放置する。夏場は短めでいいし、冬場は長めになる。
暖かいところ(ポットの側など)に置くと効果的。ただし直射日光は多分駄目。
完全にゲル状になったらできあがり。とっても簡単。
牛乳パックは500mlでも1000mlでもかまわない。菌が弱いうちは500mlで作る方が確実性は高い。
1000mlで作ると最後に下にたまったヨーグルトを掬いにくくなるが、パックを裁断すれば解決する。
できあがったヨーグルトは、そのまま次回の種菌として使える。
さらにできあがったヨーグルトも種になるので、牛乳を買い足すだけで無限に作れる。
できた直後のヨーグルトを種菌にして次のヨーグルトを作るのがベストだが、食べるペースの都合で難しいこともあるだろう。
でも安心、パックの底に残った最後のヨーグルトでも立派に種菌として使える。
…さすがに「食いかけのスプーンをパックに突っ込む」ような行為を行っていれば駄目だろうが。
毎回新しい種菌を使うように指示しているメーカーもあると思うが、おそらく商売上の方便だろう。
むしろ使えば使うほど雑菌が淘汰されて上質なヨーグルトになるのである。
そのまま食べても良し。市販のプレーンヨーグルトよりマイルドで食べやすいはず。
普通のヨーグルトが駄目な人でもこれなら大丈夫という話もある。
もちろん、砂糖・ジャム・蜂蜜・メープルシロップで味付けしても美味。
しばらく冷蔵庫に放置していると乳清(ホエイ)という液体が分離する。
そのまま飲むのはきついが、旨味と栄養が詰まった汁なので捨てるのはもったいない。
おすすめはカレーの隠し味にすること。
普通に残ったヨーグルトに混ぜてもいいし、発酵の種としても使える。
フィルターを使って人工的に乳清を分離することも可能。
固形物のほうはナチュラルチーズとして、プチダノンのようにそのまま食べてもいいし、
サラダの具などの料理用にもなる。
グルジアヨーグルトの保存性は高い。作ってから1ヶ月くらい経っても全く問題ない。
むしろ2ヶ月以上経っても余裕で食べられる。牛乳自体の賞味期限なんてお構いなし。
牛乳が安く売ってたら、まとめ買いしてヨーグルト化しておくとお得。
さて、いくら丈夫で高品質のグルジアヨーグルトといえども、
冷蔵庫で数ヶ月も放置するとさすがに弱ってくる。ただしそう簡単に死んだり腐ったりはしない。
弱った菌で発酵させると、生の牛乳を濃縮したような生臭い臭いがする。
発酵が終わった時点で乳清が分離していて、残った固形分の結合力も弱くなる。
そしてできあがった物は異様な臭いと酸味でとても食えたものではない。
このように死にかけたヨーグルトでも復活する可能性はある。
まず必要なのは発酵に最適な環境を作ってやること。
牛乳パックを未開封のまま湯煎などで温めておこう。常温でしばらく置いておくだけでも違う。
発酵中も保温しておくのが望ましい。専用のヨーグルトウォーマーがベストだが、無ければやはり湯煎か。
このように手を尽くしても、まだ完全なヨーグルトにならないこともある。
その時は、不完全なヨーグルトを種にして同じ過程を繰り返すこと。
グルジアの菌はそこいらの雑菌より強い。
よほどの事がない限り徐々に力を取り戻すはずだ。