ウッド塗装

さてさて、楡バールの突き板が届いたので、 製作にはいります。
大事な突き板なので、失敗しないようにしなければ。

接着
まず、内装に沿って切り出したMDFに、突き板をはりますが、 ベースがMDFなので、今回は木工用の接着剤です。
木工用接着剤もその辺に売っているもので良いのですが、 今回、『タイトボンド』っていう木工用接着剤を使いました。
どう言うわけか、タイトボンドは楽器製作と模型飛行機(ラジコン) の製作関係の方に使われていることが多いようで、
オーディオや、日曜大工関係の方は 使っている方がいません。 楽器や模型飛行機は接着面 が小さい割に強度を要します。
タイトボンドは硬化が速く、強力で、硬化後加工出来るとこが、その要因と思われます。
しかし、突き板貼リには不向きでした。 すぐに硬化してしまうため、広い面積を塗ると端から固くなってしまいます。
やはり手作業では普通の接着剤が良いようです。

接着は、厚めの合板などで挿み、クランプで締めて24 時間くらい置きます。

センターコンソールの場合は2分割プレスかな?


今回は物は平面なので、やり易いですが、センターコンソールなどの、3次曲面がある場合、
クランプのプレス方法を考えなければいけません。

目止め
これは塗装の際、塗料が木に余分に吸い込まれない為と、木のヤニ成分で、塗料が 犯されないため、
木の導管をうめる作業です。
私はこの目止めを、いいかげんにやっていた(ハッキリ言ってやってなかった)のですが、
それが失敗の原因にもなっていました。
例の、ヤフオクで知り合った人や、その他、楽器製作関係のHPを見るに、下地の大切さを知り、
今回しっかり目止めをやろうと「砥の粉」を買ってきました。
砥の粉の他にウッドシーラーとかウッドフィラーとか専門的なものが、
あるようですが、専門的な店に行かないと手に入らなかったので、
砥の粉を塗り、サンディングして、ツルツルにした後、
前に買った、「白セラックニス」を塗って、砥の粉の剥離止めにしました。

木には導管という細い筋があるので、
砥の粉をその筋に塗り込みます。乾かないうちに布で拭き、サンディングすると
表面はツルツルです。

セラックニスです。

 

素地着色
ここで、木に着色剤を塗り、色を合わせます。マセの内装に合わせ、
スティン(木工用着色剤。水性のを使ったが、これってアクリル絵の具じゃないの?) を塗ったりしますが、
どうも透明性が低く木目がしっかり出てくれなくて、 私は「セラックニス」(赤い方)を塗りました。
セラックはアルコールに溶かして使うので、 木に染み込み、ばきっと木目が出てくれます。
しかし・・・後で失敗とわかります。

中塗り
基本的に木工で、鏡面仕上げにする場合、表面を平らにするので、
ここで、「サンディングシーラー」というものを塗ります。
ラッカー系やウレタン系など1液性の物と2液性のものがあります。
サンディングシーラーは、ウレタン系の2液性のを、以前に期待を持って使ったのですが、
本当は透明に仕上がるところを、季節を間違え、白く濁ってしまった(湿気で白くなるようです)ので、
それから使っていません。
今回ヤフオクで知り合った人も、サンディングシーラーを使っていたので、
今回、使おうかとも思いましたが、溶剤の臭いがいやなのと、いまいち仕上がりの固さに疑問もあり、
(サンディングシーラーはサンディングを考えて、割と柔らかいようです) やはり使い馴れたエポキシで行くことにしました。

ツルツルに見えても、まだ、筋は出ます。
それを、平面にするため、
サンディングシーラーを塗ります。

 

エポキシは、前に、赤パンkiri@さんが使っていた、「ワンハンドレットコート」というものを 手に入れ、
使ってみましたがすっごく粘度が高く、筆塗りは厳しいので
手に入り易い『クリスタルレジン』で、またまたやりました。


クリスタルレジンは前回、表面が白く濁り、クリスタルレジンの性質かと思いましたが、
実は、目止めがいい加減だったのが原因とわかりました。
今回は目止めをしっかりしていたので、表面が透明です。
24時間後、エポキシが硬化したら、平面を出すようにサンディングしていきます。
ある程度やったあと、もう一度エポキシを塗り、またサンディング (水研ぎ)で、
1000番くらいまでいったとこで、今回新たな技を。

上塗り
前回まで、エポキシ仕上げのままでしたが、今回から最終的な上塗りのクリヤー塗装をしました。
前回、手づくりフィニッシィングモーターを使っても、塗りむらが生じてしまいますし、
マセの、実際のウッドをよく観察してみますと、最期にクリヤーを吹いたのではと思われる表面 でしたので、
その後木工塗装関係などのHPを見て、トップコートをするのが、正道と分りました。
ヤフオクで知り合った人も、最期に車の補修用スプレー(クリヤー)を吹いてますし、
楽器関係でも最期はラッカー等で、トップコートをし、磨き上げをしています。
筆塗りのラッカー塗装にも、チャレンジしてみましたが、薄め方が微妙で上手くいかず、
やはりここは、自動車補修用スプレー塗料の出番です。

スプレー塗料数あれど、一番ノズルの研究がされているのは車用と思います。

スプレーをし、乾いたら、600番〜1000番くらいまで、サンディング もう一度スプレーして、またサンディング。
今度は2000番くらいまでやって磨きにはいります。
スプレーはもう一度くらいしてもいいかもしれません。

さらに、クリヤーのトップコートをします。

 

磨き上げ。
2000番くらいの水研ぎのあとは、 やはり車補修と同じで、コンパウンドです。
楽器用の超微粒子サングィングペーパーもありますが、 輸入しないと手に入らなかったので、手に入るもので・・・
荒目から極細までやって、最期は液体コンパウンドで磨き上げ。
美しい艶と写りこみであります。

なかなかの写り込み

 

さあて、車に合わせてみようかなっと、駐車場までもっていったところ・・・
これが、あわんのです。色が・・・。がーん。赤い・・・・。
オークバールでセンターコンソールを作った時は、本物より明るくて、 もう少し赤が強いとぴったしと思ったのですが、
今回は元の楡の木がやや赤い地肌なので、赤すぎるのです・・・
素地着色で、セラックを塗ったのがよけいに赤くなった原因でしょう。

で、中塗り後まで逆戻りです。鏡面仕上げ木工塗装の場合、中塗り後にもう一度着色する 場合があります。
ギターのボカシ塗装とかはその例です。
なので、クリヤーをサンディングで、はぎとり、着色で全体を黄色方向に振る事にしました。
透明度が高い塗料はなかなか簡単に手に入りません。
クリヤラッカー等に混ぜて使う粉状の物はあるようですが、
そのラッカーはまた筆塗りになりますし、 身の回りで、透明度が高い塗料はといえば・・・・
昔、イラストを描くのに使ったカラーインク?
画材屋で買ってきた黄色いカラーインクを塗ったところどうやら弾かずに塗れるようです。
なかなか良い感じに色が変ってきました。 その後またクリヤー塗装をし、磨きをいれました。

でもやっぱ微妙に色が違う・・・センターコンソールがやや明るいので、
よけいに色の違いを感じます。どうにか作り直しは避けたいとこですが・・・・