補修補修

最近急にまた幌の事が気になってきまして。 いやあ。旧い車は大変です。

ちょっと前から気になっていたのが、リヤウインドウ上の骨組み。
車内に何か、ボロボロと落ちている破片状のものがあったのですが、 最初は飛んできた木の葉が、枯れてボロボロになったものかなと思っていたのですが、 それにしては、けっこう重い。
何だろうと思っていたのですが、 ある日目黒S店のミ○○ラさんに「これ、錆ですよね。」と言われ、やっとそれが何か分かった。
幌のリヤウインドウの上にある骨組のところを触ったら、グサグサになっている感触。 幌を開け閉めしているときに、横から錆がポロポロ落ちているようだ。
ガーン。錆には勝てません。

マセの幌は、内側にちゃんとヘッドライナーが付いていて、中からは骨組みが見えません。
いやその辺がかっこいいとこなんですが。 正式には、3層構造になっていて、幌、あんこ、内装となっています。
あんこも、中綿のはいった、薄い布団のようなものが入ってまして、 ヘッドライナーはちゃんと内装と同じアルカンタラです。
いやその辺がまたかっこいいところで。

と言ったところで、錆びていてはしょうがないのですが。 他にも、前に補修し残した部分も気になっていたので、このいらで新たな方法で 補修しようと思いつきました。
骨組みは、先程も書いたように、幌が3層構造なので簡単には姿を現さないようで、 色々情報を集めないと、手が出ません。
まずは、穴の補修です。

穴は、前回補修した時に、裏からキャンバス地をあて、 上からシリコンゴム系の接着剤を塗ってましたが、
けっこう目立ってしまうので、もっと目立たないやりかたはないかと、色々考えていました。
車のファブリックシートの補修キットとか売っていたりしますが、あんな感じで、ぱっと見分からないように出来ないかと考えました。

Zagato仲間のTOPALOさんに裏から同じ布を貼ってやるのがいいですよと言われ、 それで、また「ユザワヤ」です。
服飾関係の補修も似たようなものがありまして、縫ってつぎあてする他にも、熱接着とか、接着剤とかで、裏からあてたりする補修があるようで、色々製品が出ています。

まず、前回買った、キャンバス地はやや織目が、実際の幌より荒かったので、 もう少し細かな織目の幌布を購入、接着のため熱接着シートと、同じく粉末状の熱接着糊を購入。 この粉末状のものは、ファブリック補修キットも同じ感じのものになっているので、 買ってみたのですが、結局使用しませんでした。

幌の穴を縫って補修されていた部分を解いてみますと、結構な大穴が開いています。

げげっ
けっこうでかい。

かぎざきのような線状の破れだと、裏打ちでいいのですが、これはそう簡単にはいきそうにありません。
穴の周りのキャンバスもボロボロになりかけていますので、ある程度取り除き、共布をその部分にはめ込むという、服飾関係の補修のようなやりかたをしてみることにしました。
そこで、問題発生。 共布と思って買った幌布は、実際の幌の織りより今度は小さい。 なかなか上手くはいかないものです。
おそらく、マセの幌に使っているのは、ジャーマンクロスという幌車関係ではよく使われているものだと思うのですが、それが簡単に手に入りそうにない。 しょうがないので、買ったものでやってみました。

右の写真は、左が接着剤仕上。
右が、共布仕上げ。
写真じゃ分かりにくいですが、
接着剤はけっこう目立ちます。

裏から当て布を貼り、切り取った穴となるべく同じ形に切り出した幌布を当ててみました。 うーむ。こんなものかな?縫い目が目立つよりは分かりにくいか。
試行錯誤をしながら、もう一ヶ所もやって、あとは、リヤピラー部分。 ここは、裏はすぐ、アルカンタラ部分なので、裏打ちできません。
この部分は、年期のたった、Spyderはかならず、ビャーっと切れてまして、 そのままにしておくと、幌自体の繊維もだんだんぼろぼろになっていき、縫うことも叶わなくなって しまったりします。
補強の意味も兼ねて、表から布を貼ることにしました。
なるべく、ツギあてが目立たないように、ツギあて布の周りを裏からカミソリでそぎ、薄くしてみました。

幌の錆をどうにか出来ないかと、幌分解方法をTOPALOさんに聞いてみました。
どうやら、内側後ろのカバーを外すと、取り付けボルトが姿を現すようです。

その後、名古屋の内装屋さんとか、トノカバーとシートでお世話になった、O内装店とかに聞いてみましたが、
マセの幌は前述の3層構造とかの関係で、非常に大変だそーです。

リヤウインドウ上の錆は、基本の骨組みではなく、ヘッドライナーと幌布をその部分で挟んで止めている金具が錆びているようです。
3層構造なので、全部分解しないとその部分に行き着かないようで、内装屋さんにも 「このままで、乗ってたら」と言われてしまいました。
最終的には、総張り替えが一番なのですが、やはり手間がかかるものなので、30万くらいが相場のようです。(どの車もそんなものらしいですが・・・)

米ROBBINS社にBiturbo Spyder&Zagatoの幌布がラインナップされていますが(不思議なことに86年から89年型まで)、輸入している業者さんに、聞いてみましたが、マセ用(Biturbo Spyder&Zagato)のものは微妙に違っていて取り付けが上手く行かないとか・・・
(某有名M店を紹介されてしまいました。 )
対応年式が中途半端なのはその辺にあるのでしょうか?

でもうちのは、どうも純正ものじゃ無いみたいなので、おそらくROBBIN社製のものかと思われます。

いずれにしろ、安くあげるにはまだまだ情報を仕入れないとだめですなあ。
それとゆっくり作業できる、ガレージですかあ?・・それはいつになっても実現しそうにない。

TOPALOさんは、程度の良いZagatoから幌を移植したそうで、色々情報を集めた結果、それが一番の方法ではという結論です。