花王(かおう) バリアフリー社会への取り組み

モノのバリアフリー
花王のバリアフリー(ユニバーサルデザイン)

  みんなは,【花王】という会社を知っていますか?

  そう,みんなが毎日使っている,シャンプーやリンスを作っている会社です。

  【花王】では、みんなが使いやすい物(もの)を作ろう!と,一生懸命(いっしょうけんめい)に「よきモノづくり」をしています。
  やっぱり,使いやすいものが便利(べんり)だよね♪

  みんなの住んでいる【街(まち)】には,いろいろな人がいるよね。
  みんなと同じように,テクテク歩いている人もいれば,車いすで歩いている人や,白い棒(ぼう)を持って歩いている人もいる。
  そんな身体(からだ)の違い(ちがい)に関係なく【みんなが使いやすいもの】を,この会社では作っているんです。

  下に紹介(しょうかい)する物が、みんなが使いやすい物〜ユニバーサルデザイン〜の商品(しょうひん)なんだ。


● シャンプー
 
  シャンプーの脇(わき)のキザミで、目の不自由な人でも触(さ)わっただけでリンスとの違(ちが)いがわかる。
  【花王】のシャンプーやリンスには,みんなキザミが入っているんだ。

  (1991年10月 エッセンシャルシャンプーで商品化(しょうひんか〜みんなの手元にとどくようになったよ))

シャンプー1 シャンプー2 シャンプー3

● アタックシート
アタックシート
  洗濯(せんたく)するときの石けん。洗濯1回分をパックしているので計らないでいいんだ。
  石けんの粉が飛び散(ち)らない。水にふれて初めて溶(と)けるので、石けんに直接さわ
  らなくてもいいから、手が汚(よご)れない。

  目の不自由な方や、手先が不自由な方にも簡単(かんたん)に使える。なんて便利(べん
  り)な石けんなんだろう!
● クイックルワイパー
● クイックルハンドワイパー

クイックルワイパー
  みんなの学校にもあるよね。軽(かる)くて、力のいらない「魔法(まほう)のぞうきん」です。
  
  手や腰(こし)に負担(ふたん)をかけず、片手(かたて)ですべらせるだけで簡単(かんたん)
  にお掃除(そうじ)ができる。お年よりやおなかの大きいお母さん、障害者(しょうがいしゃ)の
  人たちにも使いやすい。

  音がしないので、赤ちゃんやお年よりがおやすみ中でも手軽(てがる)に使えます。

●ハミガキ スタンディング(たておき)タイプ
ハミガキ
  みんな,朝起きて歯をみがいてる?「うん!」というお友だちにおすすめ!
  キャップの開け閉めが片手(かたて)でできる。キャップが本体についているのでなくす
  心配がない。

  キャップを底にして立てて置くので、中身が下の方にたまりやすく、残(のこ)り少なくな
  っても楽に出せるという便利(べんり)な物があるのを,君は知っていたか!?

●メリーズおしりふき
メリーズおしりふき
  みんなの家に弟や妹はいるのかな?そんな赤ちゃんのために作られたものがこれ!
  片手(かたて)でかるく押すだけで、フタがパッと開き、取り出しやすい。

  赤ちゃんの足を片手(かたて)で持ったまま中身を取り出せる。
  お母さんのお手伝いをするみんなにも,使いやすいです。


・・・ないしょばなし・・・
 シャンプーのきざみができるまで

  シャンプーにギザギザのキザミがついているのをみんなは気付いたかな?

  このキザミは、さわっただけでシャンプーとリンスの違(ち)いが分かるように、つけられたものなんだ。
 
  目の不自由な方だけでなく、目をつぶって髪(かみ)を洗(あら)うときに、誰(だれ)でも
  「こっちがシャンプー,こっちがリンス!」ってわかるんだ。

  このようなシャンプーはどうやって生まれてきたのかな?


1. シャンプーを使っている人の声から

  「シャンプーとリンスが同じでまちがえやすい。形を変えて!」
  「髪(かみ)を洗(あら)っているとき、目をつぶっていてもどっちがどっちかがわからない。」
  「目が不自由なので形に工夫をしてほしい。」
  
  こんな「使っている人」からの声から,「花王」の勉強が始まったんだ。(1989年)


2. 「本当に使い間違いをするのかな?アンケートをとってみました(1990年)

  アンケートでは,約6割(たとえば,100人に聞いたら60人が「ハイ」と答えたという意味)の人が
  髪(かみ)を洗(あら)うとき、  シャンプーとリンスを間違(まちが)えたことがあると答えました。

  みんなはどうかな? 


  ●髪(かみ)を洗(あら)うとき、シャンプーとリンスを間違(まちが)えたことがありますか?

グラフ

  いままで売っていたシャンプーやリンスを使ったアンケートでは,「シャンプーは背(せ)が高くスマートだ」
  「シャンプーは背(せ)が低く安定(あんてい)している」という違(ちが)う意見があることがわかったんだ。


3. 盲学校(もうがっこう)訪問(ほうもん)アンケート(1991年)

  みんなからもらった声の中に、目の不自由な人がいました。
  だから盲学校(もうがっこう,目の不自由なお友だちの行く学校)に行ってアンケートをとったんだ。

  それでね,髪(かみ)を洗(あら)うときは、さわった感じとシャンプー置き場はここ!というように,置き場所を決めて、
  シャンプーとリンスを見分ける工夫していたことが分かったんだ。それ以外にも,

    ・ボトルに輪ゴムを巻いておく。
    ・同じ形の容器(ようき)を使わない。
    ・家族全員が、容器(ようき)の置き場所を動かさない。 など

  こうしたアンケートから、「さわってわかる、新しいルール」を作ろう!ということになりました。


4. シャンプーとリンスの見分け方を考えよう!(1990年〜1991年)

  さわった感じの違(ちが)い、凸(でこぼこ)マークによるものなど、いろいろなシャンプーとリンスの形を作ってみたんだ。

EXTRAシャンプー EXTRAシャンプー EXTRAシャンプー
容器(ようき)肩(かた)に凸点 容器(ようき)正面(しょうめん)にレリーフ 横に凸パターン

  最後には、みんながさわってわかりやすいように、またデザイン的(かっこよさ)にもできあがりが高い
  「きざみ入り容器(入れ物)」
がえらばれました。

5. 実用新案(じつようしんあん)の出願(しゅつがん)「こればぼくのだよっ!」(1991年7月)
  
  みんなは,自分がつくったものを,勝手(かって)にまねをさせるのは,いやだよね?
  
  「これはぼくのだよっ!」っていうよね。

  花王もね,せっかく作ったシャンプーの容器(ようき)を勝手(かって)に使われるのがいやだったから,
  「これはぼくのだよっ!」っていったんだ。
 
  ぼくが作ったからまねをしないでね,という意味で,実用新案(ルール)が出されたんです。

6. ユニバーサルデザイン商品第1号発売(はつばい)から普及(ふきゅう)まで
  
  1991年10月、ギザギザのついたシャンプーが初登場(はつとうじょう)しました。
  じゃ〜ん!おめでとう!

  花王はシャンプー容器(ようき)にきざみを入れるというアイデアを出した会社です。
  だから,このアイデアは花王のものです。

  でもね,花王は考えたんです。ひとりじめをしたら,シャンプーを使っている人が困る
  んじゃないか。
  このすばらしいアイデアで,みんなに便利(べんり)な生活してもらいたい!
  シャンプーの会社はいろいろあるから,このアイデアを,ほかの会社にもあげよう!
  と決めたのです。

  そこで、実用新案(ルール)をなくして,シャンプーのきざみがシャンプーを作っている
  会社が自由にこのアイデアを使うことができるようにしたんだ。
  
  なんてすばらしいことでしょう!

  今では,たくさんのシャンプーの会社がこのアイデアをもらって、ほとんどのシャンプー
  に「キザミ」がつくようになりました。

エッセンシャルシャンプー
エッセンシャル
シャンプー
キザミのついた各社のシャンプー
キザミのついた
いろいろな会社の
シャンプー
● きざみのついたシャンプーを使った人たちから,たくさんの感想(かんそう)をもらったよ。
         ・使う身になって考えられていて本当に良い。
         ・目が不自由なのでとても便利(べんり)。
         ・目の不自由な人への配慮(はいりょ〜思いやり)か?すごく感激(かんげき)した。
         ・間違(まちが)えたことがあり、これからは安心して使える。
         ・主人が数年前に目が見えなくなりました。シャンプーのキザミが便利(べんり)。
      アイデアに感謝(かんしゃ)。


  みんな、【花王】の取り組みはわかったかな?
  
  みんなが笑顔で生活するために、必ず自分にできることがあると思う。

  みんなが笑顔で生活するために考えられた「ユニバーサルデザイン」。

  だれかのために・・・・

         だれかこまっていないかな?

         こうすればもっとみんなに使いやすいのに。

         これがあれば、みんなべんりにつかえる。

  そういう気持ちで、いろいろな会社から、いろいろな品物が作られています。

  どんな品物が、どういう気持ちで作られたかを調べてみるといいかもしれません。


  ところで・・・・・・・・

  調べてみるのもいいけれど

  大切なのは、「相手の気持ちを考える」ことだとは思わない?

  「相手の気持ち」を考えることができれば、

  「ユニバーサルデザイン」ができると思います。

           

このページは、(株)花王に許可をもらって作成しています。

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