片草路傍の馬頭観音(瀬戸市片草町) 瀬戸MENU

@舟形高68cm 三面六臂 立像 持物(鉾)
A舟形高48cm 三面六臂 立像 持物(輪宝・弓・鉾・独鈷杵)

    
馬頭観音A        馬頭観音@        御岳信仰の常夜灯と石祠

JR片草のバス停から国道を100mほど東に上ると,コーナー途中の左側に常夜灯が3基並んでいるのが目に入ります。すぐ隣の石祠とともに御岳信仰に関わるものです。石祠の隣には馬頭観音が2体,国道に背を向けて立っています。以前は曲がりくねっていた部分のカーブを緩やかにしたために,道のほうが馬頭観音の背後に回ってしまったというべきでしょう。いまのところ,古い道の舗装もガードレールも残され,かつての道の様子をうかがうことができます。

2体の馬頭観音のうち,大きい方の光背側面には「文政十一子年」の銘があります。江戸時代の後期,1828年のものです。首の所で折れてしまったのを繋いだ痛々しい姿です。舟形光背の一部は失われ,持物も確認できませんでした。小さい方には「明治十七申年」の銘。こちらも光背の側面に刻まれています。明治17年は1884年,60年近く後に造られているのですが,様式を同じくしようとしたのでしょうか。こちらはかろうじて持物を見ることができました。弓を持っている点が白岩にある文久元年(1861)製の馬頭観音と共通しますが,この地域では例が少ないようです。2体とも摩滅がひどく,顔もはっきりしませんが,あまり恐そうではありません。

この場所が街道になったのは明治以降のようです。したがって少なくとも文政11年の馬頭観音は,尾根沿いの古い道(ガイドマップ参照)から下ろされたのでしょう。今は立派な壇の上に何事もなく安置されていますが,ここに至るまでには数奇な運命をたどったに違いありません。