下半田川・一の瀬橋(瀬戸市下半田川町) 瀬戸MENU

舟形高44p 三面六臂 立像 持物(輪宝・水瓶・弓・矢)

        
   【左】顔面・頭部が欠損…          【右】橋のたもとの雑草に隠れるように

  御顔が欠損
花川橋がある下半田川の集落の中から南へ向かう市道を700mほど進むと,一の瀬橋で再び蛇ヶ洞川を渡ります。カーブの先の見通しが悪い上,路肩に砂が浮いているのであまり飛ばせませんが,緑に包まれた気持ちのいいワインディングです。この一の瀬橋東詰の川上側のたもとに,一体の馬頭観音が台石の上に立っています。舟形の高さは44cmと標準的ですが,尊像は非常に立体的にかつ大きめに彫り出されています。体形,特に腹部はふっくらしていて,水北町の合掌観音や上品野町菩提寺の石仏に雰囲気が似ています。ただ残念なことに顔面と頭部が大きく欠損してしまっています。残っている向かって右横のお顔の位置から考えると,やや面長のお顔の上に大きめの宝冠を頂いていたと考えられます。尊像の天辺に残る馬頭は小さめの逆三角形で,どちらかといえば(例によって?)狐に似ていなくもありません。

  銘が読めません(T-T)
三面六臂の立像という,この辺りでは珍しい部類に属する様式です。持物のうち,上の二つの手が持つ輪宝と水瓶ははっきり分かるのですが,下の二つがよく分かりません。向かって右が弓,左が矢のようにも見えるのですが…どうなんでしょう。銘もあまり自信がありません。右側は「文政八年」でしょうか。左側は「八月吉日」のようです。文政8年といえば1825年。外国船打払令の年ですね。ちょっと古すぎるような気がします。あるいは「安政六年」(1856)なのかもしれません。風雨に晒された上,菌類が付着していて細部が見難いことこの上ないので…というのが言い訳です(^-^; 衣の表現なども決して派手ではありませんが丁寧な造作であり,もとはきっとダイナミックな石仏だったような気がします。

橋のたもとの馬頭観音は,これで花川橋,鹿乗町の玉野橋についで3体目になります。鹿乗橋の北詰にも祠に入った大きな馬頭観音があります。春日井市になるので,このSiteでは取り上げていませんが… やはり事故に会う可能性が高い川沿いに馬頭観音が置かれる例は,決して少なくないのですね。(2005.05.08取材)

※ 瀬戸の山上様から情報を頂きました。