Rowan Atkinson記者会見 (ホテルオークラ別館2階 桃山の間) 1998.2.4


        

1998年2月4日、ホテルオークラ別館2階 桃山の間で行われた「Rowan Atkinson記者会見」に行ってきました。Bean風紀委員(?)としてあらゆる角度からどこよりも詳細にその会見の全容をまとめました(ちゃんと仕事で行っておりますのであしからず)。
会見でのRAのコメントにますます笑いを追求せずにいられなくなる〜!

取材規制はディカプリオ、ブラピ以上。イギリス紳士はきびし〜〜〜っ!約400人程の報道陣(最終項参照)。会見中の写真撮影は厳禁。会見終了後の約5分間のみ撮影。しかしこのフォトセッションタイムも実質3分ほどしかなかった。)

今日のRAはMr.Beanとしてではなく、Rowan Atkinsonとして質問に応えるとの通達がありました。時間も押してたみたいで会見時間は約40分。昨日(3日)の渋谷のMr.BeanにスイッチしてたRAや、無茶して7:45からNHKおはよう日本に出ていたRAとも違い、今日のRAはかなりお疲れModeであった。しかしMr.BeanとRowan Atkinsonのギャップは最高!RAとしての会見を聞いてますます彼が好きになりました。これを機に、日本でも超ブレーク必死なのでしょうか。なんだかちょっと寂しい(と思うのはわたしだけか)。

今回の初来日の目的は2つ。「BEAN」(1998年3月公開)のキャンペーンとVIDEO(売上げ25万本)シリーズのプロモーション。

以下、
R・・・Rowan Atkinson 
司・・・司会者
Q・・・各媒体


R「皆さん、こんにちは。今日は出席して頂きまして本当にありがとうございます。こんなに大勢の人が同席して頂いた会は初めてだと思います。とっても嬉しいです。ですから御自由にどうぞどんな質問でもして下さい(会場笑)。もちろん範囲はありますけどね。」

司「日本で記者会見を何百回行っていますけど、こんなに大勢の方が、しかも2時間くらい前からここへ来てもらってるというのは?」

R「非常に光栄です。素晴らしいです。わたしの答えにガッカリしないで下さい。」

司「では質問です。お手を挙げて下さい。」

Q「○○という雑誌です。いつも楽しく拝見しています。人間の笑いのツボというのをすごく上手くついていると思うのですが企画の発想の源はどういう所にあるのか?」

R「あまり認めたくない事なんですけれど、実はこの人物というのはわたしの中から発生してきた人物なのです。というのは、ビジュアルコメディ、要するに視覚的に訴えるコメディを演じるに一番相応しい自分からこう自然に出てくるキャラクターなんです。要するに言葉に頼らず、言葉を与えられないで自分がおかしい事をするっていう時に“Mr.Bean”が自然に出てくるんで。わたしの長年の友人である、また今回『BEAN』の映画の脚本家でもありまたいろんなテレビのシリーズも書いているリチャード・カーチスとわたしが創作した人物が“Mr.Bean”です。もともとは1979年くらいのことなのですが、当時は舞台のワンマンショーをわたしが演じておりまして、それの脚本を書いていたのがリチャード・カーチスなんですけどある男、どうしても起きていられない、すぐ寝てしまうような、そういう男のジョークをできないかということで、稽古場で2人でいろいろ話し合ってって出来上がっていったのがこの人物なのです。ビジュアルコメディというのは、他の言葉に頼るコメディに比べると非常に、自分自身の持っているもの、とっても個人的な部分から発生してくるものだと思うんです。言葉の話術によるコメディというのは、自分が生まれてからいろいろと知識で学ぶことに頼ること。ビジュアルコメディは、生まれる前から知識として持っていること。但し、ビジュアルコメディをやっている役者・コメディアンというのは本当は1つしかキャラクターを持っていないと思っている。わたしにとってビジュアルコメディのキャラクターというのは “Mr.Bean”である。わたしにとって大先輩に値しますけどチャーリー・チャップリンは本来1つのキャラクターを持っていたと思う。またバスター・キートンもビジュアルコメディに関しては本当に1人の人物をずっと演じ続? ッていたと思う。ピーター・セラーズはいろんな映画でいろんな役をやっておりますが、でも、ビジュアルコメディの仕事として、キャラクターとしては1つだったと思います。短い質問に、こんなに長いお応えをしてしまいました(笑)。」

司「いいえ、とんでもございません。」

Q「T大学新聞です。ローワンさんは“Mr.Bean”を演じる時にどんなことに注意をするか?」

R「正しくやろう。そして面白くやろう。一番注意するにはやはり真実である。やはりコメディというのは真実を描いているからこそ人々が共感できるんだと思います。ですから“Mr.Bean”を演じている時は常に“Mr.Bean”というものでなくてはいけないので、そういった意味での統一感というのが重要になる。既に舞台からテレビそして今回映画ということでもう18年間この“Mr.Bean”というのと付合っている。かなり彼のことはよく知っております。今では本当に蛇口を捻るのと同じくらい簡単に彼になりきれます。すぐにオン/オフというような形で演じられます。そうやって熟知していると、こういう状況だったら彼はこうするだろう、というのを判断する、それだけのことになってきています。これは他の雑誌でもいろいろ出ているので読んでいるかもしれないが、これはどうやって考えるかというと、9歳の少年だったらこういうSituationで何をするかというように考える。かなり自己中心的で執念深い、というのを常に頭に入れておきます。私にはそれは簡単なんです(笑)。」

Q「こんにちは。○○という雑誌です。昨日、映画を観せていただきましてテレビのシリーズと違ってすごくわかりやすく、テレビと比べるとより多くの人にアピールするような作品だったと思いました。もちろん面白かったのですが。RAさんは『フォー ウェディング』であるとか『Not the Nine 0’Clock News』(最終項注釈1)であるとか『The Black Adders(ブラッカダー)』(最終項注釈2)のテレビシリーズ等でもっと話術に徹したコメディをやっていらっしゃるんですけどそちらの方向で今回のように世界征服をするつもりは今後あるのでしょうか?というのが先ず一つ。・・・」

R「1つめの質問に先に応えてよいですか?なんでしたっけ。世界征服ですね(笑)。話術で世界征服をするのは大変かもしれないです。但し、言葉がないからといって世界中で受けるかっていえば決してそうではないと思っています。ですからたぶん話術でのコメディ、要するにバーバルコメディという分野はよりイギリス内において私は中心に活動していくつもりであります。 但し、『BEAN』の成功のおかげで、これから先はいろんな映画で役をするかもしれません。それは今まで経験してきたイギリスのテレビなんかで演じてきた役よりはもうちょっと広がりがあるものだとチープ性がないもうちょっと広がりのあるものかもしれません。但しですね、世界を制覇するというのは決してわたしの目標ではない。できるだけ多くの興味深い面白い役をこれからも演じていきたいと思っています。2つめの質問をマイクを持っている間にどうぞ。」

Q「現在、キャラクターを更に考えているとおっしゃられましたが今まで『The Black Adders』の中でSadisticな役をやってきたり、『Mr.Bean』は周知の通りで、割と強いキャラクターを演じられているが、それは言い換えれば、人間のある一つの側面にスポットを当ててそこを大きくしていくというプロセスだったと思うのですが今後のキャラクターの中で何か開拓していきたい人間の側面というものはありますか?」

R「今は特にありません(笑)。今までは非常に冷酷な残酷性のあるキャラクターに心をひかれていたんです。今おっしゃったイギリスでの私がこれまで出てきたTVのキャラクターというのは非常に冷酷な人間が多くて、“Mr.Bean”もかなり残酷な人物だと思います。但し、この残酷性は非常にナイーブな子供っぽいものです。それほど危険性のあるものではないと思うんです。悪意はないんです。私は、キャラクター・アクターなら誰でもそうだと思うんですけれど色んなバラエティに富んだ種類の役を演じたいと思っています。ですから最後に演じたものとできれば違えば違うほど私は役者として満足が得られるのです。」

司「続いての御質問は。」

Q「今回の映画の中でいろいろな悪戯をしていますがその中でアトキンソンさんが本当にやってしまったコトというのはありますか?それから、コメディを演じ続ける理由、コツを教えて下さい。」

R「生活費が稼げるからっていうのが1つめの質問の答えです(笑)。最初の悪戯に関して、自分の生活の中でよりも、自分の演じるキャラクターの中でこういう夢とか、ちょっとこうやってみたいな、ということを実現させています。コメディに関して続けるかかどうか? ニおっしゃていましたがこれは私が“非常にできるという自信”と“好きだからやっている”という両方です。シリアスな役も演ってみたいとは思いますし、ずっと若い頃にはシリアスなものもやっていました。コメディを演っていて何がいいかというと、すぐに効果が分かる、皆さんのウケ方が分かる、聞こえる。笑いという形で。シリアス・アクターの場合、そういうものがないわけでね。自分が演っているものに対してお客さんがどう感じているのかというのが直ぐにはわからない。コメディアンはそれがすぐに分かるというシステムがあります」

司「いたずら経験はありますか?」

R「ありますけどここではちょっと言いたくありません(笑)。

Q「この『BEAN』の成功であなたの人生がどうかわりましたでしょうか?」

R「実はですね、映画が公開される前に、もう既にBeanというキャラクターがかなり多くの国では知られていたということがあります。ただ新しい媒体に出たということだけです。ですからあまり影響はなかったと思います。この成功によってくじに当たったようなものすごい素晴らしい人生に変わったと言いたいところなんですが、もう初めからまぁ結構いい生活してたのかもしれません(笑)。」

Q「カー・マガジンに色々と書いていらっしゃいますが、それをコレクションにして本として出版されるというご予定は?」

R「出版してくださるんですか(笑)?いえ、本としては出版されてないです。あなたが出版して下さるんだったら・・・。コレクションする価値があるかどうかは別の問題なんですけど。」

司「続いての御質問は。」

Q「△△テレビの▲▲(番組名)です。『BEAN』撮影のエピソードと日本の印象を教えて下さい。」

R「「最初の質問はいつも聞かれる質問なんですね。あまり指摘はしたくなかったんですけど(RAやや御立腹Mode、そりゃそうだ)。映画の撮影中に全然思い当たるおもしろいエピソードがないんで。コメディというのは観るには面白いのですが撮っている側は非常にシリアスなんです。2つめの質問は・・・、なんでしたか。来日できてとっても私は嬉しいです。これは心から言っております。本当に日本人というのはとても付き合いやすいし、礼儀正しいし、とっても素晴らしい人々だと思います。実はですね、自分の知っているイギリスの文化と全く違う文化の国に来るということで、ちょっとナーバスになっていた部分はあるんです。本当に皆さんにお会いしましたらとっても本当に優しく温かく迎えてくれ、また、理解を示してくれた、私の仕事に対して理解を示して下さるのにとっても感激しています。これまでも“Mr.Bean”というのはかなり普遍性のある人物だというのは私は信じてはいたんです。但し、こうやって実際来てみて、本当に自分の国とは全く違う、こういう環境、また、違う文化の中で、これだけ人々に愛されているということを知るのは私にとっては素晴らしい驚きでもあり、とても感動することです。」

司「ですからVideoが25万本、ボーンと売れてしまい、また前売券もなかなか切符が手に入らなくて。さぁ御質問をどうぞ。」

Q「☆☆という雑誌の○○と申します。2つ質問があるのですが1つは、コメディを演じるために必要な資質と書くために必要な資質はどのように違うのか。」

R「2つは全く違うことだと思うんですね。私としてはWriter(作家)とは思っていないです。但し、“Mr.Bean”に関してはほとんど言葉がないということでかなり視覚に頼るビジュアルコメディですから、演じる私の色々なアイディアとか、そういものが採用されますから、そういう意味では書いていると言えるのかもしれません。大体映画に関してもそうですし、また、TV番組の“Mr.Bean”の時もそうなんですけど、これは、コントを作っていくのは、稽古場で実際色々とアイディアを出し合いながら書いていくんです。ですから、苦労は普通のお芝居とかコントの場合は、先ず書くという段階があって、それからリハーサルですね。“Mr.Bean”の場合、それが同時進行しているんです。“Mr.Bean”に関しては、リハーサルルーム、稽古場に集まって、私と脚本家の人たち、それから監督が集まって、色んなアイデアを出し合うんです。その上で私がフィルターをかけて、じゃぁ、どれを採用するかっていうのを決めて、こういう状況なら何をするかというふうに決めていきます。(ここで最前列の女性の携帯が鳴り響く。司会の襟川クロ、にらみをきかす。これも当然だ。)ですから、初め稽古場に行く時は1行しか脚本はないんですね。『Mr.Beanが歯医者に行く』、それしかないんです。そして、3時間後、脚本は4ページくらいになっています。かなり綿密に詳細が書かれています。要するに書くというのは全員の共同プロセスです。」

Q「もう1つ。日本ではあまりインテリがコメディをやる、という常識みたいなのがないんですが、イギリスでは例えばアトキンソさんがいらっしゃったオックスフォード・レビューみたいなオックスフォード大学の学生によるコメディ集団がある。イギリスにおけるインテリがコメディをやる背景についてお聞かせください。」

R「これは1950年代後半くらいから始まった伝統であって、それまでのコメディアンはイギリスでも労働者階級が占めていました。コメディアクターというよりもコメディアンですね。で、これはピーター・クック、ドリー・モア、『Be on the French』というコメディに関わっていた俳優達が始めたんです。で、彼らがこういう前例を作ったわけなんですけれど、それまでは労働者階級、という分野に、教養のあるまぁ非常に教育を受けた人たちが入り込んで、趣味としてやっていたですけど、それが高じて今度は本当に職業としてやるようになりました。ですから、弁護士になるか、医者になるか、コメディアンになるか、そういう選択が出来る時代になった(笑)。それまではそういうことはいっさいなかったんですね。コメディアンというのは選択肢の中に入らなかった。私が大学に行っていたのはちょうど1970年代なんですが、彼らが作った人の前例といいますか、彼らの道をよく把握していました。但し、イギリスのコメディアンが今の時代全員インテリかというとそうではない。Intelligence、要するに知性があるかどうかというのは非常に疑問です。50年代の、先程申し上げました彼らが指標となったんです。」

司「いよいよ最後の質問です。(一斉にカメラ用意!)ゴソゴソとし始めた!もうちょっと待って下さいね。」

Q「■■テレビの○○と申します。イギリスは階級社会という印象があるのですが、例えば“Mr.Bean”はどんな暮らしをしていてどんな職業をもったヒトだというふうに意識して演じていらっしゃるのか?」

R「とても難しい質問していただきました。確かにTVの中では彼は職業を明確にされていなかったのです。でも映画の中ではこれが初めて明らかにされます。美術館、画廊の中のガードという職業なんですが。では、イギリス社会の中でどういうポジション、地位にいるのか。あまり生活というか社会の主流にはいない人なんで、とても難しいんです。でも私(Rowan Atkinson)と大体同じようなバックグラウンドを持っている人物ではないかなぁと私は想像していました。教育は受けている、まあ、結構高いところをいっているという(笑)。中流階級、でもキャラクターとしては非常に伝統にもとづいたキャラクターだと思います。服装からしても身だしなみはきちんと一応ネクタイはしていますし、ジャケットも着ています。ですから保守的な人物だと思います。でも彼はその伝統に常に挑戦を挑んでいて、反抗している。ですから彼は非常に保守性とAnarchiesとが入り交じった非常に複雑な対立している人物です。」

Q「TVのシリーズの中の三輪車の車についてお聞かせ下さい。」

R「ライアント・ロビンという名前がついてるんですけれど(笑)、あれは今までかなり色んなジョークの対象になってきたんです。本当になんか滑稽な形をしているので大好きです。あと危険な感じもします。まあ、製造業者はそう思ってないと思いますけど(笑)。別に自分が思ったことはないです。あの車に乗ってたことはみんなであれをやっつけよう、という運動を起こそうとしていることでもないです(笑)。」

司「どうもありがとうございました。ということでフォトセッションを始めたいと思います。カメラマンの方々長らくご協力ありがとうございました。」
 
と、ここで怒涛の撮影タイムに始まる。この現場には某サラリーマン週刊誌(おやじ系というのはひける)に勤めるわたしの友人も取材で来てて、なんだ、世間って意外と狭いのか・・・と思わされた。というより、RAが広いのか。

それから更に衝撃(・・というほどでもないんですが)。会見翌週に発売の『FOCUS』22頁‘ミスター・ビーンがやってきた’前から4列目に陣取って座ってる女として(いやぁ〜、ほぼ会場全体が写ってるんですけどね)載ってます。これでRAが同じページに写っていたら言うこと無しなのにそうはいかないもんなのでした。ちゃんちゃん。

会見翌朝のスポーツ新聞では「ブラピに並んだっ700人っっ!」とあったが私は400〜500くらいかなと思っていた。相当な数の取材陣でした。


(注釈1)

『Not the Nine 0’Clock News』(“9時ニュースではありません”・・・こんな安直な邦題でよいのか?)RAも創立メンバーとして参加したBBC放送の番組。1978−82。


(注釈2)  

『The Black Adders(ブラッカダー)』(“ブラックアンダー”とは言わない方が、あと表記もしない方がいいと思うんですが)これがリチャード・カーチスと組み、RAの名を世に知らしめた名作シリーズ。4シリーズ。RA演じるブラッカダー氏は、第1次世界大戦などの時代を舞台に部下をいびりまくるマゾ上司。歴史背景を織り込んだインテリジョークが炸裂している。イギリス人に「Rowan Atokinson」について『Mr.Bean』でふるといやらしいほど無反応なことがあったが『The Black Adders』では、喧しいほど反応された。見栄っ張りやさん!1983−88。

3日ほど前、代官山のソニプラのレジ横の‘BeanGoods’に女子高校生が襲撃。「これ、今はやってるんだよねぇ。わーきゃー(文字不能)。」君たち、流行ってればなんでもいいのか。その辺は、女子高校生に任せます。

そういえば、記者会見でわたしがシャッターをきったフィルムにRAが収まっていたのはわずかに3枚。奇跡の3枚です。あの3分間、「後ろのヒト、押さないで!うおぉぉぉ、うへぇぇぇ(気持ちはわかるが文字不能)。」の言葉が飛び交っておりました。

3月1日には『BEAN』のテーマを歌っているBoyzoneの「Picture of You」がSingleReleaseされます。このジャケットにはRowan AtokinsonもアイドルグループBoyzoneと一緒に写っている予定です。日本でいえばSMAPの「夜空ノムコウ」ジャケットに関根勤が一緒に写っているようなものです。なにはともあれBeanを風紀委員のごとく見つめつづけてきた私の98年最大のイヴェントは大興奮のうちに終わってしまいました(ありゃ、もう98年終わりか?)。

おまけ
「BEAN」Rowan Atkinson記者会見中に彼の回答に登場したPetersellers&Buster Keatonについて

Rowan Atkinsonの来日記者会見中に、ピーター・セラーズ、バスター・キートンの名が登場しました。まるで彼らのことを会見の回答に盛り込もうとすべくように丁寧に建設的、理論的にRAのコメディ論をお話していました。そこへPeter sellers&Buster Keatonの名の登場。(Charles Chaplinの名も挙げられたのですがわたしはCharles Chaplinのことを雄弁できるほど観てないので・・・きっとD-Menの方に詳しい方がいらっしゃると思います!・・・ここでは、Peter sellers&Buster Keatonについて触れます)
「Mr.Bean」を観て常々、「RAってBuster Keatonに?と思っておりました。
Buster Keatonは1895〜1966。チャップリンなどと並んで活躍した喜劇王。自ら監督・主演の作品は、決して笑わない表情と徹底したアクション至上主義で数々の傑作を放っています。そのキートンの数ある作品の中の傑作の1つが「キートンの大列車強盗」(1972)。モノクロです。わたしは小さい時にこれをTVで観て忘れられずこれを機に「喜劇を極めてやる!」と決心したのです(ほとんどホント)。この作品は有名ですし、ご存知の方も多いかと思いますがストーリーの背景に南北戦争があります。恋人が乗っている機関車をスパイが奪って暴走。キートンは奪われた機関車を自転車やトロッコなどで追いかけます。最後までホントに腹筋が苦しくなるほど笑わせてくれます。殆どといっていいほど、数々の作品には徹底した時代背景を盛り込んでいます。このインテリジェンスや、あるシュチュエーションにおいて1つのキャラクターを間違いなく演じる辺り、「Mr.Bean」にあきらかに通じてると感じていました。わたしが学生の時、神田の古書店で『KEATON (THE MAN WHO WOULDN'T LIE DOWN)』(Tom Dardis)を発見。大興奮で購入し必至こいて翻訳しまくってました。(キートンの自伝みたいなものです。トム・ダーディス著。1989年にイギリスで第1版が出版されてます)これは日本で翻訳本が出版されているか分かりませんがキートンについてこれほどつっこんで書いている本はみたことないです。まるで日記のように、ある日のキートンの食事してる時の会話を記している項もあります。これによるとキートンはチャップリンとも交友がありお互いに色々な賞を授与されていることも認め合ってるようでありました。「Mr.Bean」にチャップリンの影響を感じることはあまりないのですがキートンがチャップリンを意識していることをRAも見逃せないだろう、などとわたしは勝手に解釈してしまいました。なんておめでたいやつなんだ。
しかし、会見中にRAの口から「Buster Keaton」の名が出てきた時はホント嬉しかった。

続いて、Peter sellersですがこれは「ピンクパンサー」(実写版ですよ)のクルーゾー警部が大当たり役です。「ピンクパンサー」以外にもコメディ作品に出演していましたが1つのキャラクターを確立したということではやはりクルーゾー警部。確立したキャラクターを演じていたということで「Mr.Bean」と通じることもあり、Peter sellersの名がRAからでたのではないか・・・と、これまたわたしの勝手な解釈。あ〜、めでたい!

「BEAN」は3月21日公開ですが、NHKの抱えてるものは見尽くしたというあなた!よかったらBuster Keatonの作品(やPeter sellersも)を観ると、奥深く映画を味わえることうけあい!?と思います。


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