本家ニュース Topics Top Page Albums Japanese EJ Mailing List
来日関連 楽譜関連 Interviews Link集

1998年9月 EJインタビュー その2

出典: ej-l Mailing List dd 28/Sept/98
copyright: Park Street/Eric Johnson, 1998
「日本語文責: 山巻 由美子」

PS:
自分のアルバムや曲のうちで、一番満足してるのはどれだい? というか、自慢出来るのはどの仕事だった?
EJ:
それを言うのは難しいな。"Battle We Have Won"は、本当に誇れるよ。ギター的には、"Desert Rose"でのプレイは、自慢してもいいと思う。今思い浮かぶのは、そのふたつかな。
PS:(DW)
アジアや他の、米国外のツアーを考えたことは?
EJ:
ヨーロッパと日本とカナダには行ったことあるよ。来年(訳注: 1999)オーストラリアとニュージーランドに行こうかって話もある。
PS:
フェンダーでシグネチャーモデルを出すなんてプランはないの?
EJ:
まあ、2〜3年前にフェンダーとそういう話はしたよ。近頃はあまり話してないけど。僕としては、複雑な気分なんだ。なにしろ、ヴィンテージのリイシューにちょっと手を入れたくらいのやつで、いけてる訳だよ。これぞ「僕のモデル」と言えるほどの違いを自分が付け加えられるかどうか、わからないんだ。
  僕にとっては、違いというのは、ギターに加える変更よりも、木材やパーツの個体差の問題なんだよ。自分の「シグネチャー」ギターのプロジェクトで大がかりにカスタマイズしたものより、いい木材とパーツを使った全くのストック物のストラトを弾く方がいいもの。だから、気分としては、なんていうか二重なんだよね。でも、フェンダーと話をすることはしたよ。
PS:
いつも出てくる質問なんだけど、君のストラトは全部、ピックアップを配線し直したりとかその他、改造されているのかい?
EJ:
3本のうち1本だけね。あとの2本はストックのままだよ。3本とも、フレットは大きいやつで、トーン・コントロールを自分でリアに配線したんだ。
  改造したストラトには、ディマジオHS-2を付けてる。あとの2本はオリジナルのまま。その頃、アンプに神経過敏気味になって、ギターのことは忘れちゃって、ギターをいじくり回すのはやめたんだ。今は、アンプをいじくり回すのはやめてるよ。
PS:
ある人が、Congress Ave.(注:Austin市内の通り)のギターショップに寄った時、きれいな50年代のツィードのフェンダー・ツィン(初期の、リヴァーブのないもの)を見つけたんだそうだ。店の人が言うには、君がそれを借りて、"SRV"のJimmie Vaughnのソロに使ったということだけど、実話なのかい?
EJ:
事実だよ。同じアンプのことを言ってるんだとすればね、多分同じだと思うんだけど、彼が"SRV"で使ったのは、そのアンプ。
  その店じゃ、ツィードのフェンダー・ツィンに、5千ドルだってさ!
PS:
最近聴いてた音楽は何だい? 新作については?
EJ:
Sarah McLachlanをちょっと聴いてたな。Savage Gardenってグループも、面白くて気に入ったよ。リードシンガーがとてもよくてね。えー?って言われそうだけど、Mariah Careyもちょっとばかり聴いてる。彼女はすばらしい声してるよ。"Whenever You Call"という曲の、彼女の歌唱を研究してるところなんだ。
  ヴォーカル・パフォーマンスがすごいんだ、とてもすばらしい。その才能に触発されるので、この曲に興味持ってるんだよ。必ずしも好きなタイプの音楽って訳じゃないけどね。ペルソナを脱して爆発する才能、溢れんばかりの才能を持った人々がいる。そういう才能や人々に、僕は気づく必要があるんだ。で、この曲を聴いて、彼女が自分の声を使って技術的にやっていることを、研究してるんだよ。僕がそういうスタイルに接近するってことではないけど、でも、誰からだって学ぶことは出来るからね。
PS:
超高音のファルセットが楽しみだな。
EJ:
みんな気に入るとこだよ。で、君は、前作は3年もかかったんだったって思う   んだろ!
PS:
Seven Worldsのリリースは、どういう経緯なの?
EJ:
うーん、いい質問だね。というのは、煎じ詰めて言えば、僕は1978年にあれを作って、以来僕の手からは離れてしまったんだ。僕にはどうにも出来なかったんだよ。マスターテープを握ってるのは他の人で、彼等が、ある時点で、「出そう」と決めたんだ。僕としては結構なことだし、ありがたいことだよ。あのアルバムには、明らかに時代遅れの部分もある。あまりいい気分になれない曲もいくつかあるよ。なにしろ20年前の作品だからね。でも、自慢出来る部分もある。だから、出るのはうれしいんだ。1977年に、6〜7ヶ月かけてせっせと録音したんだもの。だから、出せてよかったと思う。でもほんと、僕の手は全く離れてたんだよ。今回出そうと決めたのは僕じゃないし、僕が20年間隠し持ってた訳でもないんだ。僕としては、もともと1978年にリリースする気でいたんだから。
PS:
ライヴ・アルバムやライヴ・ヴィデオを発表する機会はあるかな?
EJ:
もちろん。僕が、曲をぶち壊しにせずにやり通せればね。この質問で、Spice Girlsが思い浮かぶな。 (笑)
  ライヴ・アルバムは出したいと思ってるよ。ほんとに。後で手を加えたりしないライヴ・アルバムにしたいんだ。録ったままのライヴ。今度のアルバムは、前作よりもかなり有機的だと思ってもらえると思うな。
PS:
次は、これから言う引用句を君に伝えて、感想をもらえたらうれしいとのことだ。まず、「振動から運動が生じ/運動から色が生じ/色から音色が生ず」 ピタゴラス
EJ:
とてもきれいだね。そう、ピタゴラスは形而上学的な要素にとても関心があったんだよね。彼についての本を読んだことがある。
PS:
もうひとつの方いくよ。   「天才を創るのは、高尚な知的レヴェルでも想像力でも、その両方が混ざったものでもない。愛、愛、愛、それこそが、天才の魂だ」 モーツァルト
EJ:
すばらしいね。これは初めて聞いたな。ほんとにすばらしいね!
PS:
ローランドの、最新の(ストラト用)ギターシンセをどう思う? Ericっぽい音が出るそうだけど。
EJ:
最新のやつは、試してないんだ。
PS:
アコースティックでは、誰が好き?
EJ:
Michael Hedges、Joni Mitchell、それとJames Taylorのいくつか、あとAdrian LeggにChristopher Parkening、the Assad Brothers...かな、何人か挙げるとすれば。
PS:
デスメタル・バンドへの加入を考えたことは? (冗談)
EJ:
次のレコードがそうだって。
PS:
ビーバップ・スタイルのジャズ(例えばWes Montgomeryの"Four on Six"やJimmy BrunoやFrank Martino)をやってみたことはあるかい?
EJ:
そういうの聴くし、研究もしてるよ。でも、まだ自在に弾きこなせないんだ。
PS:
7弦のジャズ・ボックス(Bennedettoのような)を弾いたことは?
EJ:
弾いたことない。
PS:
ストラトキャスターの演奏性や感触について、どういったものが君のメガネに叶うんだい? それとも、ストラトに引きつけられるのは、ただトーンのせい? つまり、ストラトを好きな理由は、響き方と演奏性とどっちが大きい?
EJ:
響き方だね。
PS:
"Hawaiian Punch"について何か? 特に最後のヴォーカル部分。
EJ:
あれはJohn Traynorだよ。彼は他の2、3曲でパーカッションやってる。あの曲については、たいして話はないな。Steve Barberと僕で書いて、タイトルはSteveがつけたんだ。
PS:
また国歌を演奏する気はない? スーパーボウルみたいなビッグイヴェントで。
EJ:
もちろん。あとは依頼が来ればいいだけさ。(破顔一笑)
PS:
練習やプレイの時、耳の保護はどうしてる?
EJ:
E.A.R.(原注:ブランド名)の、特別あつらえの耳栓をしてる。
PS:
次の人は、君のトーンがTONESからVENUS ISLEにかけて、非常に進歩したと思うそうだ。君としては、もっと改良させたいと思う? それとも満足してるかい?
EJ:
おおむね満足してるよ。時間と努力は、もっと音楽自体の方に使いたいと思ってる。もっと、機材にとり憑かれないようにしたいんだ。
PS:
ファンに迷惑かけられることは多い?
EJ:
ファンは、おおむねとてもいい人たちだよ。ほんとに迷惑かけられるっていうことは、すごくまれなことだね。
PS:
他の人の、これから出るアルバムで、ゲストで弾いているものはあるかい?
EJ:
Christopher Crossのアルバムと、今度のVan Wilkesのアルバム。
  (訳注: "Walking in Avalon"と"Koko's Hideaway"のこと)
-------その3に続く--------