火葬場と般若心経 1997年4月20日(日)社会5年
 火葬場が右手奥50mくらい先に見える平らな土地にいる。火葬場の左側には、何本かの樹木が生えており薄暗い。私達は、誰かの父親の棺おけを運びながら歩いている。空から小さな紙くずが降ってくる。これは、火葬場の煙突から出ているのだと思う。大学時代の講義で聞いた話を思い出す。そのうち紙くずがたくさん振ってくるようになり、Sと私は口を手で覆い隠す。

 火葬場手前の十字路で、右側からやってくる葬儀の行列と出くわす。なぜか皆白装束である。気がつくと自分たちも白装束であった。私達はその行列をやり過ごす。私は、前の火葬が終わったのだなと思う。

 後方から般若心経が聞こえてくる。振り向くと白装束の尼僧が、4列縦隊で頭に大きな紙をかぶりながら走ってくる。その紙は、4人分の幅があり、その後に続く何人かの尼僧に覆い被さり、たなびくくらいの長さがある。また、よく見るとその紙にはお経が書いてあるようだ。私は、その尼僧達とともに、火葬場横の暗い木立へと走っていく。

 両側に木の生えたその道は下り坂になっており、私はたなびくお経の後ろに続いて走る。しばらく行くと石室のような場所にたどり着く。そこは尼僧達のたむろする場所であり、私は場違いなところへ来てしまったと思っている。そこで早く出口を探そうと思う。自分が入ってきた入口があるはずだが、その事には気づかない。ひとつの扉を開けると、高校の制服が入っている。もうひとつの扉を開けると丸い穴がありそこから外をのぞくことができる。その穴は私の頭がすっぽり入るくらいの大きさがあって、がんばれば何とか外に出られそうである。外をのぞくと3階分くらいの高さがあったのでためらっていると、後から先程私と一緒に葬儀に参加していたらしい人が「早くしろよ」とせかす。いつのまにか、穴は砕けたガラス窓に変わっているが、そこを抜け出す。

 以下省略(この後、空港近くの駅から旅に出る夢になる。)
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