汽車に乗って 1992年5月21日(木)大学4年
 前文省略(ヘリコプターで山を越えて何かから脱出し、目的地へと向かうストーリーです。結構長い。)

 誰かエラソーな人の部屋にいる。ちょっと人間ばなれした顔の男がいて、そいつがエラソーな雰囲気なのである。そいつの顔はどでかくて、上下からつぶしたようなしわが刻まれている。いや、刻まれているというよりも、だぶついているといったほうがよい。顔色は灰色っぽくて、全体的に象をイメージさせる顔である。その男が、私のほうを見ながら手に紙を持って「・・・に行ってもらう(網走だったかもしれない)」という。紙に何が書いてあるのかよく分からないが、辞令のようなものだと思う。男は続けて「現地までは電車(列車?)が通っていて、交通の面では問題が無い。15km(50km?)くらいだ」と言う。私はその時あのヘリで行こうかと思ったが、距離が遠すぎるからだめかもしれないと思う。(前文で乗っていたヘリの事)「4年・・・か、10年くらいかかるだろう」とその男は言う。いつのまにか、さっきの紙に4年か10年という文字が書いてあるのが見える。

 前文で来た、コンクリートの壁があるところにいる。その壁は、都市の河川の堤防らしく、その上には高速道路がカーブして通っている。目の前に髪の長い女性がいて、この人は自分の恋人なのだと思っている。うすいピンクがかったシャツを着ていて、顔はぼんやりとしてよく見えないけど不安そうにしているのが分かる。私は彼女に「10年くらい帰ってこれなくなるかもしれない。いっしょについてこないか」と言う。彼女は何も言わなかったけど、ついてきてくれるのだと思っている。

 駅のホームを彼女と歩いている。ホームは石造りで、非常に古いものらしくぼろぼろに崩れている。そういえば、象顔の男が西の方に行けといっていたことを思い出す。しかし、その方向には線路は伸びていなくて終点になっている。そういえば、ちょっと手前のところに分かれている線路があったことを思い出す。きっとそちらのほうに行けばよいのだと思う。ホームの終点側に向かって左側を見ると海岸になっており、夕暮れで朱色に染まった海が見える。すると、さっきまでは気づかなかった波の音が聞こえてくる。

 汽車が入ってくる。銀河鉄道999だと思っている。最後尾の車両が目の前に来たところで汽車が止まる。その車両だけはすごく小さくて、壁も屋根も無い。椅子が向かい合わせに1つあって、手すりが一組ついているだけである。なんとなく壁の無いトロッコのようでもある。自分たちは下級な市民だから仕方がないのだと思う。彼女と向かい合わせに座る。狭いのでひざがぶつかってしまう。それで、足を交互に互い違いに配置する。

 汽車が動き出すと、後ろ側に座っていた私は後ろを振り向き「再見」と叫び右手を振る。その時なんとなく、彼女にはこの言葉の意味が分かるだろうかと思う。だんだん速度を上げるとゆれが激しくなってくる。私は「振り落とされるからここにつかまって・・・トンネルに入ると危ない」といって手すりにつかまるように言う。その直後トンネルに入る。「きゃ」といって彼女は手をほおのところにあてる。

 以降省略(トンネルがエジプトかアステカの古代遺跡になって、ナチスの追跡を振り切って脱出するストーリーになります。前文から最後までで、ノート3ページ分もあるのですごく長いです。)
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