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上級ハム法規の教科書に何を使うべきか?
日時: 2006/05/08 23:57:51
名前: 1アマゲットだぜ
参照: http://ectoyfan.blog.ocn.ne.jp/sillytalk/cat2265410/index.html

別のスレッドでちょっと話題にしたのですが,もうすこし目だつように別スレッドにさせていただきます.

これからの上級ハム受験のポイントは法規にあると思います.要求レベルは1アマ2アマともほぼ同じですが,じりじり難しくなってきています.細かい部分まで正確に覚えることを要求されているように思います.

これまでの問題は,よい参考書がないということでした.東京電機大学出版局の吉川先生本は,残念ながら最新の国際法規に対応できていません.しかたがないので,問題集を解きながら,CQ出版から出ているアマチュア局用の電波法令抄録を辞書代わりに使う,ということになりますが,国際法規については試験範囲をカバーできていません.

私は17年12月期受験組だったので間に合わなかったのですが,現在は丹羽先生の「新・上級ハムになる本」を買えば,法規の教科書の問題は解消します.国際法規についても,ここに載っている分を覚えれば十分でしょう.

ただし,残念ながら,私の持っている初版本(2006年2月1日付)には,致命的なミスが1箇所あります.不利益をこうむる受験者が多いと思いますのでここに書いておきます.(字数オーバーのため以下次記事へ)

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丹羽先生本の誤り箇所 ( No.1 )
日時: 2006/05/08 23:48:20
名前: 1アマゲットだぜ

374ページの表3-5「基本周波数の平均電力が1ワット以下のアマチュア局の送信設備のスプリアス発射の強度の許容値(抜粋)」ですが,430MHzを超え440MHz以下の部分は「25マイクロワット以下である値(設備7条14項7号)」とありますが,これは誤りです.50MHzや144MHzと同様に,「100マイクロワット以下である値」が正解です.

同号を読むと,「334.4MHzを超え470MHz以下の周波数の電波を使用する送信設備(第7項の送信設備,…(省略)…を除く),…(以下省略)」とあります.ここで「第7項の送信設備を除く」というのが問題で,設備7条7項を見ますと,「334.4MHzを超え470MHz以下の周波数の電波を使用する…(省略)…アマチュア局の送信設備…(以下省略)」とあります.つまり設備7条14項7号の規定は,アマチュア局には適用されないのです.したがってここは設備7条14項12号が有効となります.すなわち「100マイクロワット以下である値」でよいのです.

CQ出版の1アマ問題集(野口先生本)をお持ちであれば,無線設備の章の[スプリアス発射の強度の許容値]のところで,平成7年4月と平成9年4月に出題された問題(改訂版2刷(2005年10月1日付)では,220-221ページに収録された問題27になります)が,ちょうど該当する問題となります.答えは100マイクロワット(2番)となっていて,上の指摘が正しいことがわかります.

ちなみに,工学の試験対策という面から見ると,丹羽先生本の内容は,現在の出題傾向とは若干ずれています.野口先生の「解説・無線工学」のほうが,試験問題に逐一対応するスタイルで編集されており,受験には使いやすいと思います.
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.2 )
日時: 2006/05/09 01:02:03
名前: Squaw

1アマゲットだぜさんへ

今回初めて1アマを受けて受かったSquawといいます。
私の今回だけの1参考意見として聞いてください。

私は上記の吉川先生本、これだけで合格第1級ハム教室(だったっけ?)とCQ出版の最新問題集だけで法令は合格しました。辞書代わりの法令集というのも所有せず、たった2冊だけです。

だからそれで今後も十分だとはいいませんが、そういう事例もあることをお伝えします。
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.3 )
日時: 2006/05/09 03:14:58
名前: JQ2CQX/1

私は次の4冊でした。

○アマチュア無線技士国家試験 第1級ハム教室―これ1冊で必ず合格(吉川忠久氏編・東京電気大学出版局刊)
○第1級ハム国家試験問題集(野口幸雄氏編・CQ出版社刊)
○アマチュア局用電波法令抄録(JARL編・CQ出版社刊)
○学習用国際電波法規(電気通信振興会編・刊)

ただし私自身がメインとしたのは最初の2冊。これは徹底的に叩きました。
(Squawさんと同じセット。私は2アマでも同じシリーズを採用)

「電波法令抄録」は、テキストとしては「あっても良いけどなくても良い」みたいな感じですね。
ただ電波法上の「無線局に備え付けておかなければならない書類」ですから
開局されている方は必ず保有するようにしましょう。

「学習用国際電波法規」は上級アマ試験で最近、国際法規からの新規出題傾向が強くなってきて
いることから後で購入した物ですが、テキストというより辞書的な使い方をしました。
(これとて抜粋版。アマ試験の学習では使わなくても良いと思います)

テキストはどれも一長一短だと思います。
吉川本は、タイトルでうたっている通り、過去問集を使わなくても、これだけ完璧にマスターしたら
工学・法規とも出題の80%程度の合格点は取れます。おそらくはそういう発想で造られているはず。
限られたページの中で100%を求めるのは不可能だとも思います。

可能な限りの完璧を求めるなら過去問集は必須でしょうね。
出題傾向もわかりますしテキストのアラも解りますし。

結局は、勉強される方が、それぞれの趣味や学習スタイルに合わせて選べばよいと思います。
私は編者にはまったくこだわりはなかったので、店頭で数冊を手にとって比較し、もっとも自分の
スタイルにあったものを選びました。
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.4 )
日時: 2006/05/09 05:59:37
名前: 毎度2アマ 改め 1.5アマ 改め1アマ

野口本、これのみです。

要所解説付で内容も理解できたし出題期や傾向も予測できました。
なんと言っても薄くて通勤・出張時に鞄に入れても苦にならなかった。

つい最近、H17年12月期まで収録の最新版が出たようです。
ただし基礎からの原理や理屈を含めた無線工学を勉強したい方には不向きでしょう。(あくまでも試験対策向き)
電気に関する対数、三角関数、複素数(数学の世界では@、電気の世界では電流と混同するのでj)、微積分などは『電気数学:上坂功一著/日刊工業新聞社刊』などが良いかと(買わずに立ち読みしてました

2アマは高卒程度、1アマは大卒程度と昔聞いたことがあります。工業・電気電子系の現役生でしたら改めて教科書は不要かな?(電気通信術は別ですが)
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.5 )
日時: 2006/05/09 11:19:41
名前: JOZZ3

今後のスプリアス等の試験問題について。
2005年12月の電波法改正で、[スプリアス発射の強度の許容値]が「スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値」に変更になりました。

今後は、「不要発射の強度の許容値」も出題される可能性があります。

なお、スプリアスについての変更は、
30MHz以下1W以下のアマチュア局が「1mW以下」から「100μW以下」に改正されました。
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.6 )
日時: 2006/05/09 12:15:00
名前: 1アマゲットだぜ

たくさんの方にコメントをいただきました.ありがとうございました.

丹羽先生本がでるまで,法規をきちんと勉強しようとしたら,吉川先生本しかなく,しかも最新の国際法規に未対応だったため,おまけにアマチュア無線に関する規定ですから,プロの教科書では扱わない範囲ですから,それこそITUの原本を手に入れないと状態だったわけです.まあ試験ではせいぜい1問ですから,気にしなければいいのですが,試験として課されている以上,勉強ができない状況というのは,正常ではないのでは,と思っていました.それがこのスレッドにつながっています.

別スレですでに紹介したのですが,自分では,こんなものを作りました.http://ectoyfan.blog.ocn.ne.jp/archives/2ama-mondaisyuu-hooki-zyoobun.txt もとは,問題集の問題を解くたびに,抄録から該当条文をノートに全部書き写していったものを,電子テキスト化したものです.こういうものを教科書としてちゃんと備えてほしいと思ったのです.

JOZZ3さん:総務省のページを見ました.かなり大幅な改訂ですね.最新の抄録では対応しているでしょうか.今度本屋にいったときに調べて見ることにします.情報ありがとうございました.
Re: 上級ハム法規の教科書に何を使うべきか? ( No.7 )
日時: 2006/05/10 13:53:19
名前: JQ2CQX/1

JOZZ3さん

 30MHz以下で1W未満の場合

 ○帯域外領域におけるスプリアス発射の強度の許容値 - 100μW以下(変更)
 ○スプリアス領域における不要発射の強度の許容値 - 50μW以下(新設)

 ですね。この分野からの出題が増えると大変ですね。

 →ALL 
 ちなみに
 http://www.soumu.go.jp/menu_04/s_hourei/joho.html#02 から
 無線設備規則(昭和25電波監理委員会規則18) のリンクのページを開き
 別表第三号(第7条関係)− 項39 (※この表自体が新規)

 です。(ページの最終から上にたどったほうが早いです)
 ただし項39は30MHz以下のアマチュア局の場合の特例なので、原則は項2の表を参照。
 (これも“スプリアス領域における不要発射の強度の許容値”は新規)

 ちなみにこの変更も国際法規に準拠したもののようです。

 上記詳細については下記をどうぞ
 http://www.tele.soumu.go.jp/j/others/spurious/
 用語の定義は“○関係省令"に載っています。(抄録にもあるはず)

 なお電波法は原則として年に2回見直しされ、電波法令集を持っていて、追録を
 契約している場合は改正のタイミングで追録が送られてくるため、変更が分りやすいです。
 アマチュア局用の抄録は、毎年6月15日に発行され、翌年の6月30日までが有効期間
 なので、次の発行版には掲載されるものと思います。
 今すぐ買うのはやめておきましょう。

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