クモニ13製作記

三線式零番ゲージを始めて最初というか、人生において初めて完成に至ったペーパー車両です。 今まで造って来たモデルカーとは違い、初めての事ばかりでだいぶ戸惑いましたが、先日行われた JAM 鉄道模型コンベンションにおいて無事走行出来ました。
途中、飛んでしまう所もありますが・・・30年以上前に書かれた製作記事を現代に蘇らせ様と挑戦した全記録です。


製作記事を発見!
今年の初め、国立図書館にいにしえの模型雑誌・・・「模型とラジオ」誌が蔵書されている事を 図書館のネット検索で知り、早速閲覧に行きました。
自分が最初に目にした本格的な模型雑誌が「模型とラジオ」誌であり、この本の制作記事を見て バルサやヒノキ材なとど格闘したのが、”自作”の原点です。
1966年の5月号にその記事はありました、題名は・・・・
「日本国有鉄道 モニ13型荷物電車」浜野益男氏の執筆です。零番ゲージとHOゲージの寸法の併記で 零番ゲージの製作記事としては最後の部類になるそうです。
早速コピーサービスにてコピーを取ってもらいました。7月号には同じ浜野氏執筆の 「富山地方鉄道14770型電車の作り方」も掲載されておりこれも同時にコピー。そのうち製作してみたい と思います。
残念ながら・・・1966年の蔵書は5月号と7月号のみで、翌1967年からは全てHOゲージの記事となってしまい 零番の記事は1966年までの様です。

コピーしてもらった製作記事、4ページで寸法や細かい解説が書いてあります。
これで基本を製作するのに必要な情報は十分なのですから、現代の写真満載の模型雑誌の製作記事に 慣れてしまった頭には吃驚です!
やっぱり素晴らしいです。

製作記事の見出しのアップ。
このタイトルの字体がいかにも「模型とラジオ」っぽくてたまりません(笑)

製作開始
車体に使う材料は、文房具店で普通に売られている白ボールです。厚さ0.5mm。
白ボールに早く綺麗にけがくには・・・色々考えたあげく、製作記事を発見したのと同時期に仕事に 使うために導入したMacを使ってみる事にしました。
Vector WorksというCADソフトを使い、製作記事の展開図をモニターに描きこんで行きます。 ペーパー車両の作業は初めてでしたが、ほぼ原寸大で作業できたので快適でした。
試しにプリンターで印刷したところ、これは使える!となったので用紙の大きさを設定し 白ポールに実際に印刷・・・・これは素晴らしい!
全部のパーツを印刷して、切り出し&窓抜きです。

車体外張りの切り出し終了。
切り抜きに使ったのは普通のデザインナイフ、ドアの上部のRの部分は自作のノミ(R1流ペーパー車両の作り方参照) を使用。ナイフでの切り抜きはガラス板の上、ノミの使用はカッターマットの上で小さいハンマーで叩いて抜きます。
この車体はペーパールーフで作る設計なのでこんな展開図になります。
パーツを全て切り出し、張り合わせの段階で最初の難関にぶち当たりました・・・・
それは接着剤!
紙は木工ボンド♪と信じて疑わずに外張りの裏側に塗布。ところが白ボールが見る見る歪んでいくではありませんか。 なんとか内張りを貼りましたけど納得がいかず・・・・一旦作業中止。
翌日、何か良い物はないかとホームセンターへ。色々と接着剤を物色し、これは・・・というのを発見!
使い慣れた2液式のエポキシ接着剤ですが、なんと30分硬化タイプなんてのあったんですね(^^)
これなら作業時間も余裕があるし、この接着剤には信頼もあるので購入しました。
結果は満足のいくものでした。白ボールは歪まないし、作業性も良いし。意外だったのはエポキシが白ボールに わずかではあるけれども浸透すること。これならしっかりと接着が可能です。
今後、一部の張り合わせ以外は全部エポキシにて接着に決定です。
ドアや補強などの手早く作業できる所は、5分間硬化タイプも併用しました。