乗って運転出来る蒸気機関車を作るのが、子供の時からの夢だったんです


英国のStation Road Steamという店から購入。だいぶほっぽっときましたけど、工作機械も揃いようやく製作を始める事が出来ます。

これは31/2in ミリに直すと89mmのGWRタイプの自由形、名前はIrisと言います、0-6-0のテンダー機関車です。
この世界では有名なLBSC設計の機関車ですけど、何故か本場あちらのネット上でも完成した物を見ませんし、 販売も大手のリーブスで扱ってなく一箇所GLR Model Suppliesという所だけ。しかも図面を手にした後は この販売店とも連絡が取れてません・・・(^^;
まぁ、図面さえあればなんとかなります・・・・

ライブ製作の為に導入した旋盤とフェライス盤。両機ともベルメックスインターナショナルにて購入。
安価な中国製なので精度はイマイチですけど、モデルエンジニアリングでは問題になる程ではありません。
それよりも問題なのは機械を操る腕と旋盤はバイトの研ぎでしょう。
ただし・・どの工作機械でも同じですが、使えるまでに調整が必要です。

この機関車は英国のモデルエンジニアが途中で投げ出した物です、まず何処が駄目なのかを見つけなくてはなりません。
この他にテンダーとロッド類一式も付いてきましたけど、フライス作業があまり得意でない方だったらしく 精度もそれなり・・・・この辺のパーツはジグ代わりにして新たに製作しないとなりません。

まず最初に気が付いたのが第一動輪の動きの渋さ。動輪の回転もだけど、軸箱の上下動がぎこちない・・・・ 前後にもガタ付きが多過いなど各クリアランスが広すぎなので、思い切って造り直す事にしました。
材料は40φの砲金丸棒、材料店にて20mm厚にスライスしてもらった物を購入しました。

第一動輪の軸箱の動きが渋く、前後にガタつきが・・・・
これでは後のロッド類取り付けの際に支障になります。
第二、第三動輪はスムーズに動くので、第一動輪の軸箱だけ作り直しです。

新たに軸箱を作る為の40φ砲金丸棒。
厚さ20mmで切り売り販売してもらった物を、さらに厚さ15mmに旋盤で加工。
この後、旋盤に四つ爪チャックを取り付けて立方体に加工して行きます。

軸箱を交換する為に動輪から車軸を抜かなくてはなりません。
圧入だと思ってプーラーで抜こうとしてプーラーを掛けたら、プーラーの爪の部分で動輪のフランジを割りました・・・トホホ。 ちゃんとロックタイトで固定してあった・・・ならばとバーナーでロックタイトを焼いて外し、今度は12トンプレスで抜きました。 なんでプレス機があるかって??
サニトラのミッションを組み替えた時に、必要に迫られて購入したのです。

真鍮の丸棒をあてがって、プレスで慎重に力を掛ける。
フランジが欠けているのが、画像で判るかなぁ・・・・
どうでも良いが、プレスはガレージに置いてあるので後ろにガラクタがいっぱい・・・

破損したフランジは、フランジの部分を挽き取り、他の車輪の鋳物の不要部分よりリングを挽きだして ロックタイトで接着の後、元通りに切削・・・・冷や汗ものの作業でしたけど無事に修正完了。 軸箱を新製して取り付けてみても動輪はスムーズに回らないし、軸箱の動きも渋い・・・・ もしやと思い台枠にスコヤを当ててみると・・・ホーンブロックが前後にずれてる(+_+)
もう砲金の材料も無いので、折角新製した軸箱のスロット部分に0.5mmの真鍮板を左右互い違いにハンダ付けして もう一度フェライス加工を施して修正、なんとか動く様になりました。
これがこの機関車を製作途中で投げ出してしまった原因の様です。
修正前の状態では、左右の動輪間がズレてしまっているのでサイドロッド製作して取り付けても 上手く動輪が回らないはずです。ここが機関車製作の第一関門だと聞かされました。

砲金のフェライス加工で新製した軸箱
それでも動きの渋さは直らず・・・原因は台枠の作りと判明。スロットの部分に 0.5mmの真鍮板をハンダ付けして修正。
ようやくスムーズに動輪が回転し、軸箱も軽く動く様に。
欠けてしまったフランジも元通りに修正済み。

そして今度は全ての軸箱と動輪が全て軽やかに動く様に調整。組んでアタリを見て、バラしてヤスリで修正してまた組んで・・・を延々と繰り返す。 半日ぐらい掛かってやっとサスペンションとして十分に機能する状態になりました。疲れた・・・・


ようやく全てが機能する様になった足回り

次に台枠の塗装をし直そうと思い、全体をバラバラに分解、刷毛塗りで塗られた分厚いエナメルのペイントを剥離材で落とすと・・・・この機関車の素性が見えてきました。
キットの台枠を何の加工も無しに使っていました・・・・まさかそんなことはと、台枠の高さ方向の幅を計ってみると、左右で見事に違う・・・オイオイ。
そして台枠の板自体も見事に反ってました・・・・。
しかたないので、これまたプレス機に掛けて台枠の歪みを矯正。さすがプレス機があると力も要らず簡単に修正できます(^^)
その後、台枠の上側をヤスリで一直線に仕上げてから2枚の台枠をクランプで重ねて固定し、下端をフェライス加工で一直線に・・・・・前後やキャブの切り欠き部分も フェライス加工をして図面通りに仕上げ、2枚の台枠を同じ形状に修正しました。

プレス機に掛けて台枠の曲がりを矯正。
1/8inの軟鋼板なのでゆっくり、じわーっと力を掛けて修正していく。
さすが油圧プレス、力も入らず楽々です。
台枠は塗装を剥がしたので変な色になってます・・・・

ようやくリペイント開始です。
まず台枠の内側を赤で塗装、一応GWRの機関車という設定なので少し暗めの朱色で塗りました。使ったのは川上塗料のネオ・アルキコートというエナメルペイント。
国内では唯一のライブスティームの総合名著、渡辺精一氏の「ライブスティーム」の中でも氏が推薦している塗料です。乾燥後は熱にも強いとの事・・・・
このペイントの赤がイメージする色にぴったりでしたので、そのまま塗りました。台枠の鋼板の表面が凸凹していたり、砲金の部分は塗料ののりも良くなさそうなので 最初は刷毛で塗装してペイントの足付け。伸びと発色の良い塗料なので気持ち良く塗れます。

リペイント中。
奥に見える缶が使った塗料、ネオ・アルキコート。フタル酸系樹脂塗料という今まで使ったことのない塗料でしたけど 伸び、発色共に良好で素晴らしい塗料です。
エナメルなので乾燥が遅いのが欠点かな・・・・しかし・・・ライブ製作の場合は、一つの部品を作るのに3日掛かる事もざらなので、塗料の乾燥が遅いのは 問題になりません。



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