失語症者への関わり方

 ことばが言えなくなってしまっても、子どもの能力に戻ってしまったわけではありません。痴呆症を合併しなければ、健常な人と同じように大人としての自覚や判断力を持っています。家族や関係者は、失語症者を一人の大人として、対応してください。ことばが言えないからといって、笑ったり子ども扱いするのは絶対につつしんでください。
 失語症者が話そうとしているときは、せかせないでゆっくり聞いてやってください。物の名前を思い出すのに苦労しているような場合は、実物や写真、絵カード、文字などで確認するのもよいでしょう。た、話せないからといって、ひらがなの五十音表を見せて指差しをさせるのは一般的によくありません。失語症者がコミュニケーションを取るためのイラストや文字などが書かれた「会話ノート」のようなものも市販されていますので、活用されるとよいでしょう。
話しかけられたことがよく理解できない失語症者には、短い言葉でゆっくり話しかけましょう。文字や身ぶりなどを併せて使うのもよいでしょう。