2008年5月4日(日)、丹沢の主脈、蛭ケ岳、丹沢山、塔ノ岳を登りました。北は道志の東野(ひがしの)から、南は表丹沢の大倉まで20km余を日帰り縦走しました。石老山からの丹沢の眺望が印象に残り、日照時間の長い五月に登ることになりました。 神奈川中央交通の三ヶ木(みかげ)から月夜野行きのバスは、休日には1日2本(6:55、15:30)しかなく、三ヶ木6時55分発のバスに乗るように登山計画を立てる必要があります。このバスに乗るためには橋本駅6時20分発の三ヶ木行きか相模湖駅6時30分発の三ヶ木行きに乗らなければ接続できません。表丹沢の大倉から渋沢行きの最終バスは20時38分まであり多少遅れてもバスに乗ることができます。このコースは登山ガイドブックには、1泊2日で案内されており、もしアクシデントにあったら山小屋で宿泊するつもりで計画しました。

 当日は、海に近い丹沢特有の霧の中の登山で、山からの眺望を得ることはできませんでしたが、逆に暑さに悩まされることなく涼しく登山を楽しむことができました。山の花は、紅花のトウゴクミツバツツジ、白い釣鐘のような花を房状につけたアセビ、小さなさくらの花のマメザクラ(フジザクラ)、岩場に生えるコイワザクラに出会うことができました。

 丹沢の全体的な印象は、以前より階段が多く、木道も多くなっていました。また、鹿の食害防止のネットが登山道周辺にはり巡らされていました。丹沢の代表的な木であるブナの立ち枯れになっているのも目立ちました。寒冷な気候を好むブナに地球温暖化・酸性雨の影響を受けているようです。大倉尾根では土砂流失防止による植生復活の努力がNPOにより行われおり、少しずつ成果が出ているような気がしました。


コースタイム

JR橋本駅620 バス32分 652三ヶ木655 バス35分 730東野730 40分 810登山口815 1時間45分
           420円              490円

 1000八丁坂ノ頭1000 20分 1020姫次1030 1時間40分 1210蛭ヶ岳1230 25分 1255鬼ヶ岩ノ頭1300 15分
 
 1315棚沢ノ頭1315 15分 1330不動ノ峰1330 40分 1410丹沢山1420 1時間 1520塔ノ岳1530 30分

 1600花立1600 2時間20分 1820大倉


所要時間 10時間50分



登山口 8時10分

東野バス停から舗装された林道を歩いて40分の所に登山口があります。ここまで、道の分岐には指導標があり、迷わずにこれました。車で来た人は、この近くの林道に車を停めて登っているようでした。
ここから先は、土の道になり八丁坂ノ頭まで急な登りなります。

姫次 1433m 10時20分

「ひめつぎ」とも「ひめつぐ」とも言う。1433mは、東海自然歩道の最高地点になっています。カラマツとブナの木を見ながら歩きました。
天気がよいと素晴らしい展望ができるのですが今回はだめでした。

アセビ(馬酔木) ツツジ科アセビ属

「馬酔木」と書くのは、馬が葉を食べると酔った状態になることによる。アセボトキシンを含み、呼吸中枢を麻痺させる有毒植物。古くはアシビと呼ばれていました。

万葉集(巻二−166)
大津皇子おおつのみこかばねを葛城の二上山ふたがみやまに移しはぶる時に、大伯皇女おおくのひめみこ哀傷かなしびて作らす歌
磯の上にふるう馬酔木あしび手折たをらめど見すべき君がありとは言わなくに
(川の辺の岩の上に生えている馬酔木の花を手折ってあなたに見せせたいが、あなたがこの世に生きているともう誰も言ってくれない。)

マメザクラ(豆桜) バラ科サクラ属

木も花も葉も小さい桜。箱根や富士山に多くフジザクラ(富士桜)とも呼ばれる。花は下向きに咲き直径2cmほど。

倒れかかっているが、精一杯花を咲かせていた老木に感動しました。

木の階段

蛭ヶ岳の登りの木の階段は、植生保護のためにつくられたのだと思いますが、歩きにくい。姫次からは、一度下るので蛭ヶ岳への最後の登りはきつかった。蛭ヶ岳まであと400mの標識を見てからかなり時間がかかりました。

蛭ヶ岳山頂 1672.3m 12時10分

東野バス停から4時間40分やっと頂上に着いたが霧の中でなにも見えない。登頂の証拠写真はちゃんと撮る。
ポツポツ小雨が降ってきて天候が心配になってきましたが、海に近い丹沢ではこのような天気によく出会います。

鬼ヶ岩ノ頭 1608m 12時55分

蛭ヶ岳から見ると2つの岩が鬼の角のように見えるのでこの名があります。また、蛭ヶ岳側は鎖場になっています。

不動ノ峰 1614m 13時30分

奈良時代、丹沢を開山した山岳仏教徒が修行の道場としたことから、御不動様を祭り、不動ノ峰と名づけられた言われています。

丹沢山 1567.1m 14時10分

以前登った宮ヶ瀬・丹沢三峰からの道とここで合流します。
ここまで来るとなんとか日帰りできるめどがたちました。

塔ノ岳 1491m 15時20分

塔ノ岳の山頂は、午後3時を過ぎても賑やかでした。山のターミナルとして多くの人々がゆきかっていました。

救急ヘリコプター

大倉尾根を下っている時、突然上空でヘリコプターがホバリング(空中停止)をはじめた。するとヘリコプターから救急隊がロープでおりてきて、登山道にいた人をひきずり上げて飛んでいきました。
滑落でもないのでヘリコプターを呼ぶ必要もないのではないかと疑問に思いました。登山は、基本的には自己責任で安易にヘルプを求めることは許されません。下山途中、真冬でも短パンで重い荷物を塔ノ岳までボッカ(歩荷)する人にも会い人ました。「寒くないのか」と聞いたら、「寒い」と答えました。また、山道を走って登り下りする人もいれば、私のようにゆっくり歩く人もおり、人様々です。

とにかく登山は余裕をもって慎重に行動しましょう。

18時20分に大倉のバス停に到着し、留まっていたバスに乗り無事、渋沢駅に着きました。