経済探検未来への指針    レスター・サロー著

平行断絶期の時代には、昔ながらの政策や戦略で経済社会は機能しない。今までとは違った、新しいやり方を見い出さなければならない。平行断絶期は、チャンスと脅威の両方を生み出す。未来の経済探検の時代に重要なのは、新しい未知の活動の未知を探検する意思であり勇気である。探険家として成功するには創造性ビジョンである。創造性は個人と組織にとって重要でありこの技能がないと、即座の対応の仕方、あるいは危機への対応の仕方がわからなくなる。ビジョンはよりよい世界をつくるために人々を結びつけのに社会が必要としている。

『資本主義の未来』で経済の地殻変動を五つの基本的な経済プレートとして指摘した。
1.共産主義の消滅
2.天然資源に基づいた産業から、人造の知力産業へのシフト
3.人口は増大するとともに高齢化している。そして人類史上最も活発に移動している。
4.真にグローバルな経済への動きである。国民経済はゆっくりと消滅している。
5.主要超大国がひとつしかない世界から、多極的な世界への動き。

地殻変動している今日の資本主義の中でビジネス成功に導く五つの航海術について説明している。
1.危機なき変貌
 今日の適者生存の資本主義における成功の基本条件は、絶えざる変化である。究極的に言えば、変わるか死ぬかである。変化をチャンスと考える。個人も継続的に自分の技能を開発し、知識の蓄えを更新する。
2.技能教育と知識の更新
 知力産業の時代、未来は知識の再創造にかかっている。未来の形を決めるのは、個人にとっては、絶え間なく新しい技能や新しい知識を学ぶプロセスであり、企業と国家にとっては、研究、開発、教育への投資である。
3.グローバルな視野をもつ
 国や人種にかかわらず、世界のどこからでも最高の人材を雇って、自分の会社で働かせる。地球の反対側の出来事でも、日常生活やビジネスに影響を与えるかもしれないので世界中の出来事に関心を持つ。
4.グローバルエクセレンスの追求
 日本企業の卓越性を発展させるには、その分野で世界最高企業との生産性の比較が21世紀のビジネス環境で、指導的地位を達成する唯一の方法である。
5.利益創出の場所と手段を知る
 グローバル経済で最も貴重な資源である知識と情報を簡単に電子的に移転させることで、世界のどこでも生産、販売が可能になった。生産に最も適した場所はどこか、販売に最も利益をあげられる市場はどこか、新しい経済ゲームを行う適切な場所はどこか。