2016年には外国人労働者の数が100万を超えた。そのうち4万人以上がコンビニでアルバイトをしている。本書では彼らを日常でもっとも身近な外国人労働者ととらえてレポートしている。
入国管理局が2017年6月末時点で集計した在留外国人は247万人で、日本の総人口1億2659万人に対する在留外国人の割合は約1.9%になる。
現在、もっとも多いのが中国の約71万人。次に韓国・朝鮮で約48万人。フィリピン25万人、ベトナム23万人、ブラジル18.5万人、ネパール7.4万人。
ベトナム人とネパール人は、この3年間にほぼ倍増という劇的な伸びを示している。現地では日本語を学ぶことがブームになっている。
2014年の時点で、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国のうち日本は世界第5位の「移民流入国」だという報告もある。(OECDの国際移住データベース)
2015年には、世界第4位になっている。
1位ドイツ(201万人)、2位米国(105万人)、第3位英国(48万人)、第4位日本(39万人)。
しかし、政府は移民は認めていない。政府の方針は移民は認めないが、外国人が日本に住んで働くのは認めており、積極的に人手不足を補っていきたいということだ。
移民とは、入国時点で永住権を有する者であり、就労目的の在留資格による受入れは移民にはあたらないという見解だ。政府が移民という言葉を避ける理由は一般の国民に移民アレルギーがあるからだ。
一般的な私費留学生が日本語学習をスタートさせるのは日本語学校である。日本語学校は日本語教育機関であると同時に、留学ビザをもらうための最初の許可を与えるのが法務省から認可を受けた日本語学校なのだ。日本語学校が現在では全国で643校を数える。2017年に80校、この5年間で200校以上増えた。
一般的な日本語学校は、授業料は60〜80万円、そこに入学金や教科書代が加算される。日本語学校の授業は午前中だけ、もしくは午後だけというところが多い。学費はかなり割高だ。
日本語学校に入学すれば、勉強しながら働けると聞いて借金をして日本に来たが、週28時間という規制を守っていたのでは、2年目以降の学費を満足に稼ぐこともできない。仕方なくオーバーワークしたら、入管に摘発され、やむなく退学することになり、借金を抱えたまま無念のうちに帰国する人もいる。その一方で、人手不足の現場では留学生が労働力として期待されている。留学生がいないと現場がまわっていかない。
日本の総人口というのは、在留外国人も含めた数である。この10年で日本に住む外国人が40万人近く増えていることを加味すると、いま日本全体の人口減が比較的緩やかなカーブを描いている理由の裏には、外国人の増加がプラスに働いているからだ。オリンピックの後、おそらく日本の景気は悪化する。そうなれば、日本に来る外国人留学生の数は減り、これまで頼りにしていた外国人労働力もどんどん減っていき、日本の経済が音を立てて崩れていくような事態になるかもしれない。
近い将来、日本に来る外国人は減っていく。短期的には学びながら働ける国として魅力的だった日本の経済が後退すれば、コンビニでアルバイトしていたような留学希望者が日本を目指す理由がなくなる。外国人技能実習制度を使って入国していたような人たちはもっと景気のいい国を選択する。