この物語のテーマは、状況の変化に対する対処はいかにあるべきかにある。過去の成功体験を捨て、変化することに対する恐怖を乗り越え、すばやく行動しなければならないと説いている。迷路で起こった出来事をめぐる物語で、登場人物は、チーズを探し求める二匹のネズミと二人の小人からなる。ここでのチーズは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族や恋人、お金、大きな家、自由、人に認められること、心の平安といったものを象徴している。また、迷路はチーズを追い求める場所を表しており、会社や地域社会かもしれないし、家庭かもしれない。
二匹のネズミは、単純で非能率的な方法、つまり試行錯誤繰り返しながらチーズを探した。二匹のネズミは道に迷い、袋小路に突き当たることもしばしばだった。それでも、そのうち道をみつけて進んでいった。一方、二人の小人は、過去の経験から得た教訓と思考による方法をとっていたが、複雑な頭脳にたより、高度な方法をつくりあげた。うまくいくときもあったが、強力な人間の信念と感情がものの見方を鈍らせてしまうこともあった。そのため迷路の中で生きるのがいっそう複雑で難しいものになった。
二匹のネズミと二人の小人は、大量のチーズをみつけ、毎日おいしいチーズを食べていた。ところが、ある日チーズを食べつくし、チーズがなくなってしまった。二匹のネズミは、状況が変わったので自分たちも変わることにした。新しいチーズを探しに出かけた。二人の小人は、事態が信じられなかった。どうしてこんなことになったのだろう? 誰も注意してくれなかった。こんなこと、おかしい。こんなことなるわけない。
二匹のネズミは迷路の奥まで入りこみ、通路を行ったり来たりして、大量の新しいチーズを見つけた。二人の小人は、失望し、腹を立て、互いに相手をなじった。二人の小人は、空腹とストレスでどんどん弱っていった。チーズが戻ってくるのを待っていたが、事態が悪化するのがわかってきた。一人の小人は、勇気を奮いおこし、新しいチーズを求め迷路に入っていった。新しい方向に踏み出したことで、恐怖から開放された。迷路を走りまわり、ついに新しい大量のチーズを見つけることができた。
教訓
物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、すばやく動くこと。
問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかり考えて我を失ってはいけない。
小さい変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化にうまく備えることができる。
変化に早く適応すること。遅れれば、適応できなくなるかもしれない。
最大の障害は自分自身の中にある。自分が変わらなければ好転しない。
物語の中で使用されている格言
チーズを手に入れれば幸せになれる。
自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる
変わらなければ破滅することになる
もし恐怖がなかったら何をするだろう?
つねにチーズの匂いをかいでみること、そうすれば古くなったのに気がつく
新しい方向に進めば、新しいチーズがみつかる
恐怖を乗り越えれば、楽な気持ちになる
まだ新しいチーズが見つかっていなくても、そのチーズを楽しんでいる自分を想像すれば、それが実現する
古いチーズに早く見切りをつければ、それだけ早く新しいチーズがみつかる。
チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全だ
従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない
新しいチーズを見つけることができ、それを楽しむことができるとわかれば、人は進路を変える
早い時期に小さな変化に気づけば、やがて訪れる大きな変化にうまく適応できる
変化は起きる、変化を予期せよ、変化を探知せよ、変化にすばやく適応せよ、変わろう、変化を楽しもう!、進んですばやく変わり再びそれを楽しもう
チーズと一緒に前進しそれを楽しもう!