御正体山・石割山

 東京近辺の山を歩いていて気に留まった山が御正体山と大室山です。この二つの山は山頂での展望のない山であり、交通の便の悪い山であるため今まで登る機会がありませんでした。4月から11月までは富士急行の都留市駅8時10分発の道坂隧道ずいどう行のバスが運行されており、御正体入口(635m)または終点の道坂隧道ずいどう(1030m)から御正体山に登ろうと計画しました。登山口の標高差が400m近くありますが、あえて御正体入口から登ることにしました。御正体山頂が1682mなので御正体入口(635m)との標高差が1047mで登れない山ではないと判断しました。

御正体山の山名が気になって調べた結果、御正体山は山岳信仰にちなんで命名された山名であることがわかりました。
御正体
(百科事典マイペディア)
木や銅の円板に仏像を浮彫し荘厳具をつけ、掛けられるようにしたもの。懸仏かけぼとけとも。本地垂迹ほんちすいじゃく説に基づいて本地仏ほんじぶつを表す形式として用いられた。平安末〜鎌倉初期に、鏡に仏像を毛彫して神社に奉納したのに始まる。東京総持寺(西新井大師)蔵の蔵王権現を線刻したもの(1001年)は最古の例。

本地垂迹(ほんちすいじゃく)とは、仏教が興隆した時代に表れた神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏の化身として日本の地に現れた権現であるとする考えである。

(広辞苑)
鏡の表面に神像・仏像・梵字などを線刻し、社寺に奉納、礼拝したもの。本来鏡は神社の神体として祀られる場合が多かったが、神仏習合によってこれに本地仏ほんじぶつの姿や種子しゅじ(仏や菩薩を梵字一字で表したもの)を刻出するようになり、鏡像とも呼ばれた。中世にはさらに懸仏かけぼとけの形式が生まれた。

御正体山
(コンサイス日本山名辞典)
道志山地の最高峰で、一等三角点がある。頂上をマコゼンノ丸ともいう。かつて信仰登山で栄え、山頂近くに寺院があったが、明治の神仏分離によりさびれ、頂上近くにこわれた峰宮を残すだけとなった。

 2008年10月12日(日)、三連休の中日に御正体山に登りました。都留市駅8時10分発の道坂隧道ずいどう行のバスに乗るために、中野駅6時26分の特別快速高尾行に乗り、高尾、大月で乗り換えて8時5分に都留市駅に到着します。登山コースは、細野の御正体入口バス停から登り、峰宮跡を経由して御正体山まで行きました。下りは山伏峠または石割山を計画していましたが、山伏峠・石割山分岐での時間がまだ14時だったので、石割山経由で平野に下りることにしました。石割山山頂で平野から新宿バスターミナル行の17時20分発の高速バスを予約しましたが、満席なので断られあきらめていましたが、平野で臨時バスがもう1台出ることになり新宿行の高速バスに乗車することができました。

 このコースで一番きつかったのは、峰宮跡までの最後の急坂の登りでした。峰宮跡から御正体山頂への尾根道はブナ、ミズナラ、モミ、ツガなどの広葉樹と針葉樹との混交林となっている。御正体山頂から石割山へは、小さなアップダウンを繰り返す尾根歩きを楽しむことができました。途中のビューポイントでも曇天のため残念ながら展望を得ることはできませんでした。

御正体山山頂(1682m) 御正体山山頂の自然林
4年前の秋に皇太子殿下が登頂された。
池ノ平から登られたようです。

コースタイム
都留市駅810 17分 827御正体入口バス停835 2時間30分 1105峰宮跡1115 35分 1150御正体山頂1210 55分 1305中ノ岳1310 25分 1335鉄塔山1340

1355山伏峠・石割山分岐1400 1時間 1500石割山山頂1520 10分 1530石割神社1540 50分 1630平野バス停1725 新宿バスターミナル

所要時間 7時間55分(835〜1630)


三輪神社
御正体入口バス停前にあります。
三輪神社の前の林道を登って行きます。

三輪神社前から仏ヶ沢沿いに延びる林道
林道は仏ヶ沢を右に見ながら登っていきますが、
25分ほどで中河原橋を渡ると仏ヶ沢は左になります。

林道工事の土砂を積んだトラックが時々、下って
きました。

林道から登山道へ
林道から別れ、仏ヶ沢沿いにつけられた登山道に
入ります。
登山口から45分ほど林道歩きをしました。

林道先端の掘削現場
登山道は林道工事現場の上を歩きます。

林道工事予定地
すでに木は伐採されてブルドーザーで
整地されるのを待っている状態です。
林道はどこまで予定されているのでしょうか。
登山道は段々急になってきます。

ヤマウルシ(山漆)の紅葉
秋に最も早く紅葉します。

峰宮跡(1560m)
小さな石の祠がありました。
御正体山が修験道場として栄えたころには神社が
あったのでしょう。

峰宮跡から御正体山への尾根道
木漏れ日のさす落ち葉の上の道を歩く。
今回のルートで一番気にいった所です。

ブナの古木

山伏峠・石割山分岐
平野に行く下山路を山伏峠経由か石割山経由に
するか判断に迷うが、14時前だったので石割山
へ向かいました。
ここから1時間で石割山に着きました。

石割山山頂(1413m)
晴れていれば、山中湖、富士山が眺められるが
曇り空で眺望がありませんでした。

石割神社(1320m)
「天照大神がお隠れになった天岩戸伝説発祥の地」
の表示がありました。
主祭神は、天岩戸を開いた天手力男命あめのたじからおのみことです。

御神体の二つに割れた花崗岩
二つに割れた隙間を三回通れば幸運が開けると
言われている。

石割神社の御神木のカツラ(桂)
この神木の後ろには水の湧き出る石があり、
相模川の上流の桂川の名前の由来といわれる。

長い石段を下ると石割神社登山口になる。
石割神社登山口から平野まで1.6kmの表示が
あり広い林道を下る。
石割神社登山口には駐車場がある。

石段の上は富士見平で非難小屋と書かれた休息所
があり、石割の湯への道と分岐していました。