高尾山の紅葉

 11月18日に南高尾を歩きました。高尾山の紅葉を見て、万葉集にある額田王ぬかたのおほきみの春より秋が素晴らしいという歌が思い出されました。しかし、私は早春の高尾山は紅葉の高尾山より勝っているような気がします。早春の高尾山でではスミレやニリンソウが咲き乱れ生命の息吹を感じることができます。手軽に散策できる高尾山の早春は、花の種類も多く新しい出会いが期待できます。

天皇すめらみこと(天智天皇)の内大臣うちのおほまへつきみ藤原朝臣あそみ(藤原鎌足)にみことのりして、
春山の万花のにほひ、秋山の千葉のいろとを競ひあはれびしめたまふ時、
額田王ぬかたのおほきみが歌をもちてことわる歌

冬こもり 春さり来れば 鳴かずありし 鳥も来鳴きぬ 

咲かずありし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 

草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 

黄葉もみちをば 取りてぞしのふ 青きをば 置きてぞ嘆く

そこし恨めし 秋山我れは
                     万葉集 巻第一 二八