東京のカモはなぜ減ったのか

 日本野鳥の会東京支部主催のシンポジウム『東京のカモはなぜ減ったのか』に参加しました。1978年と2005年の東京でのカモの全体個体数が48%減になっている。

全体個体数 スズガモ オナガガモ コガモ カルガモ マガモ オシドリ ホシハジロ キンクロハジロ ヒドリガモ ハシビロガモ
1978年 94507 41182 31489 8650 6752 1036 288 576 653 1922 506
2005年 49162 28935 5739 2063 3047 362 180 2552 2819 2488 849
48%減 30%減 82%減 76%減 55%減 65%減 38%減 4.4倍 4.3倍 1.3倍 1.7倍


 東京のカモはほんとうに減ったのでしょうか。たまたま、数えた場所からいなくなっただけでしょうか。カモが減った理由がいくつかあげられていました。
(1)パンくずなどをまく人が以前より減少した。
(2)水質が悪化して病死した。
(3)都市化で湧き水が減り、河川や池の水量が減った。
(4)オオタカやハヤブサの猛禽類が増加したため。
(5)狩猟者が減り、都心部の池に避難する必要がなくなった。
(6)河川敷の開発や護岸のために住環境が悪化した。
(7)中小河川や新しい池などに分散しだした。
(8)温暖化のため東京まで南下しなくなった。
(9)北の繁殖地でなんらかの問題がある。
(10)エサで与えたスナック菓子やラーメンのくずに含まれている食品添加物による繁殖異常が起こっている。

給餌の自粛が主要因だと思います。エサを与えればカモはもっと増えるでしょう。かって野生のカモにペットのようにエサを与えて増やした反動でカモが減少しているものと思われます。