野川公園 

 都立野川公園内を流れる野川は、護岸工事がされておらず、自然のままの川の姿をしている。野川は国分寺の湧き水を源泉とし二子玉で多摩川に流入している。国分寺崖線(がいせん)といわれる河岸段丘があり、「ハケ」と呼ばれ、清水も多く湧き出し、都会では珍しい自然が残っている。2005年7月9日に野川公園で出会ったものを紹介します。
コサギ(小鷺) コウノトリ科サギ目

全長:約60cm
全体は白く、足と嘴は黒い。足先は黄色い。

野川の中でえさ探しをしている。
ノカンゾウ(野萓草) ユリ科ワスレグサ属

花は一重のラッパ状で、直径7cm位。朝咲いて夕方にはしぼむ一日花。
ヤブカンゾウ(薮萓草) ユリ科ワスレグサ属

直径が8センチほどの八重咲きで茎の先に数個つく。一つひとつの花は一日花で、次から次へと咲きつづけるため、全体としての花期は長い。

大伴旅人 万葉集(巻3−334)

727年(神亀四年)に大伴旅人は、大宰帥(だざいのそち)(太宰府の長官)に任ぜられて奈良の都を離れ筑紫に赴任したが、望郷の念にかられた。この花を着物のひもにつけておくとつらさを忘れさせてくれるという言い伝えがあった。そこで旅人も香具山のある飛鳥への望郷の思いを断ち切るために忘れ草を着物のひもにつけた。
キツリフネ(黄釣船) ツリフネソウ科

黄色い花が船をつり下げたような形をしているところから黄釣船(きつりふね)の名がつけられた。
オカトラノオ(岡虎の尾)
           サクラソウ科オカトラノオ属

花穂がトラの尾に似ている。花は下から順次咲いていく。