アメリカの双子の赤字

 目先の日本の経済は回復しているが、輸出主体の日本の経済は、今後のアメリカ経済に依存している。アメリカ経済の懸念材料が経常収支と財政赤字の双子の赤字です。右の図からわかるように今回の双子の赤字は、80年代後半の双子の赤字の倍以上の赤字額です。アメリカの2003年度(2002年10月1日〜2003年9月30日)の経常収支赤字は5418億ドル、財政収支赤字は5210億ドルになる。1ドル110円換算でそれぞれ59兆円、57兆円になる。この赤字によって日本経済もなりたっていると思うと不気味です。
 2004年度もアメリカの双子の赤字は拡大するようです。日本はアメリカに製品を輸出し、せっせとアメリカの債券を購入することによって、輸出中心とする景気回復の路線を進んできました。アメリカはドル紙幣をいくらでも印刷することが可能です。これは、アメリカの国力に信用があるからです。日本の財政赤字についても同じことが言えます。しかし、このような状態はいつまでも続くものではない。

 為替は、アメリカの双子の赤字はドル安要因で、アメリカの景気回復はドル高要因になりしばらく110円を挟んだ動きになるようです。

 アメリカの2003年度の実質GDPは109879億ドルで、1ドル110円換算で1208兆円になる。世界の経済を牽引しているアメリカの実質GDPは年率約5%で成長している。
出所:National Economic Accounts(current-doller GDP)