童謡「たきび」

 童謡「たきび」の中で歌われた風景がいまでも中野区上高田三丁目に残っています。屋敷のまわりを竹の垣根がめぐらされおり、「たきび」の歌がつくられたイメージが思い浮かんできます。この歌は、戦前、上高田の借家に住んでいた巽聖歌たつみせいか(本名:野村七蔵)が、昭和16年(1941)に作詞しました。巽聖歌は、明治38年(1905)に岩手県で生まれ、大正14年(1925)に 「赤い鳥」に童謡集「水口」を発表し、北原白秋に激賞されました。童謡「たきび」は、昭和16年12月の日米開戦の翌日、NHKラジオの「うたのおけいこ」で放送されましたが、戦争遂行という非常時になにごとか、あるいは、たき火自体が、火事のもとになるので、歌わせるべきではないという反応があり放送中止になったことがあったそうです。