アメリカの景気
株価(ニューヨークダウ) | 7月19日のニューヨークダウの終値ベースで8019ドルをつけ、ニューヨークの同時多発テロ直後の2001年9月21日につけた8235ドルを下回って引けた。為替もドル安傾向が続き1ドル115円代に突入した。ニューヨークの株価、ドルはまだ下げ止まる気配はない。日本の景気は、今年後半アメリカの景気主導で輸出が伸びV字回復すると見込んでいたが、米国経済の変調が日本の景気回復にも影響を与えることになる。 日本の企業は、1ドル125円を想定して2002年度の事業計画を建てている。また、輸出企業の採算レートは115円である。塩川財務相は7月4日為替問題に触れ、「昨年9月の米国テロの後の水準の115円まで進むのは避けたい」と述べている。また「日本経済は底を打ったといっても、まだ本当の活力がわいてきたわけではない」とも言っている。 今回の米国経済の変調は、90年代のITバブルを含む景気拡大期の調整局面と考えられる。米国経済には以下にあげる問題がある。 ・米景気の回復の遅れ ・企業収益の低迷 ・ハイテク各社の予想以上の業績下方修正 ・米国内外の投資家の信頼感の薄れ ・企業会計への不信感の強まり ・エンロン、ワールドコムやアンダーセン会計事務所の破綻などスキャンダルの多発 ・企業倫理の喪失 ・情報公開に対する疑念 ・インテル、AMD、アップルなどの決算発表によるハイテク株主導の株下落 ・急激なドル安進行による海外投資家の米株式離れ ・テロ再発の不安 ・中東和平で米政府が強い指導力を発揮できない米外交の限界 ・国防費急増による財政赤字の拡大と輸入増による経常収支の赤字増の「双子の赤字」問題再燃 米国株の調整が進むにつれて、日本の株もハイテク株を中心に調整が進むだろう。企業業績の下方修正が発表される時が仕込み時になるのではないか。 |
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