日本人の寿命

 1999年の日本人の出生時平均余命は、男が77歳、女が84歳だということです。日本人の出生時平均余命が50歳を超えたのは1947年の調査で男50歳、女54歳でした。平均寿命の延びで一番大きくきいているのは乳児死亡の低下で、大正末期までは15%以上あったものが、昭和61年には0.5%までになりました。現在の医学の知識では、人間の最大達成年齢は120歳ぐらいのところにあるそうです。しかし、肉体はそれぐらいまで十分耐えうるが、脳のほうが先に参ってしまうそうです。

 人間が長生きするようになったのはけっこうなことですが、まだ余命があると計算し時間を浪費して生きるようになったのではないかと思います。昔の人の寿命は短かったが、その時を精一杯生きる時間に対して密度の濃い生活をしていたのではないでしょうか。

15歳以上に達した者の平均死亡年齢の時代変遷(小林和正)
   

古人骨より推定 縄文時代 31.1 31.3
  弥生時代 30.0 29.2
  古墳時代 30.6 34.5
  室町時代 35.8 36.7
  江戸時代 43.9 40.9
人口統計 1891〜98年調査 55.7 57.1
  1965〜66年調査 70.3 75.0