日本人はるかな旅展

日本人はどこからきたのでしょうか

 上野の国立科学博物館で日本人のルーツを紹介する展覧会が行われている。本展は8月〜12月の日曜日夜9時から放送されるNHKスペシャル「日本人はるかな旅」(5回シリーズ)と連動している。実物の人骨や石器や土器とともに三次元コンピュータグラフィックの映像によりわかりやすく説明されていた。

日本の旧石器時代

 3万年以前の日本の前期・中期旧石器遺跡(宮城県上高森遺跡、北海道総進不動坂遺跡)で、2000年11月5日にねつぞうがあったことが判明し、現在、日本考古学会によって対象遺跡(33ヶ所)について検証作業が行われており、そのいくつかの遺跡でねつぞうの証拠が確認されている。したがって、これらの灰色遺跡を除くと、日本列島の確かな人類遺跡は、4〜3万年以前の新人の遺跡になってしまった。

日本人のルーツ

 2万年前にシベリアにいたモンゴロイドがマンモスゾウ、ナウマンゾウ、ヤベオオツノジカを追って北から北海道にやってきた。当時氷河期で間宮海峡や宗谷海峡は陸続きだった。北海道に南下したマンモスの一部が津軽海峡に一時的に形成された「氷橋」を渡って本州に侵入した。

渡来系弥生人はどこからきたか

 寒冷な気候に適応した身体的特徴があるので渡来系弥生人の源流が北東アジアにあったという説もある。そこは、渡来系弥生人の遠いふるさとであっても、2000年ほど前に日本にやってきた直前のふるさとであったとは限らない。寒冷地に適応した北方アジア人は、5000年前には、アジア各地に広まっていたからだ。水稲耕作の発祥の地といわれている中国南部が弥生系渡来人の直接のふるさとだという説が最近の調査で有力になっている。春秋戦国時代(紀元前771年〜)から前漢時代(〜紀元後8年)の中国は、政治的に動乱の時代にあり、いろいろな民族が入り乱れて戦いあった。日本にやってきた弥生系渡来人は、このような動乱にあった中国から逃れてきたのかもしれない。