景気予測

 2000年度の決算がまとまり、野村證券から2002年度までの景気見通しが発表された。2000年度は連結決算ベースで5.2%増収、33.5%経常増益となった。増収増益決算は96年度以来4年ぶりである。日本経済は今年1月以降急減速したが、減価償却費や人件費等の固定費の抑制が効いたから高い増益率を達成できた。全体の寄与度が高かったのが電機・精密でパソコン・携帯電話等のIT関連機器の需要が旺盛であった。電機・精密からの受注が旺盛であった機械、光ファイバーや光部品が好調であった鉄鋼・非鉄なども高い増益率をあげ、ITに関連した業種の業績が好調だった。

 2001年度は、半導体価格の下落や携帯電話需要の減退、米国景気の冷え込みなどにより、IT関連もしくは対米依存度の高い業種で景気減速する。業種別では、増益業種の方が多いが、ほとんど20%以下の増益率にとどまっている。

 2002年度は、再び増益軌道に戻ることが予想されている。

業種別連結経常増益率

単位:%

業種 2000年度 2001年度 2002年度
建設

8.6

-19.2 -0.8
食品 -19.1 21 12.5
化学 45.1 2.8 18.2
医薬・ヘルスケア 0.3 7.5 9.6
鉄鋼・非鉄 133.3 -13.3 17.7
機械 167.1 -8.4 18.9
電機・精密 81.6 -23.6 24.3
自動車 16.9 18.2 12.8
小売り 20.6 16.9 14.7
金融 -35.4 53.1 26
住宅・不動産 21.2 11.6 10.2
運輸 28.9 4.6 13.4
通信 9.7 4.6 26.6
公益 4.9 -6.7
サービス 1.4 0.4 16.6
メディア -2.1 10.6 -2
ソフトウェア 42 16.1 32.1
家庭用品 9.8 -2.8 12.1