ドラッカーは語る・21世紀日本はこうなる

 経営の神様ピーター・F・ドラッカーがテレビ朝日の番組で21世紀の日本について語っていた。現在の日本の政治、経済、社会における混乱は、危機ではなく転換期における起こる現象で今後10年間続くだろう。日本は戦後40年順調に成長しトップになったが、トップを維持し続けるのは難しい。現在の日本は夢と自信を喪失している。日本の転換には今後5年から8年かかり、2010年には新しい日本に生まれ変わり年金、財政、政治の問題が解決しているだろう。日本の問題点は、日本の社会構造が変化したにもかかわらず、現行システムで既得権を受けている人がおり、変化することを望まない。日本の強みは、日本独自の伝統、文化があり、現実を直視する力があって適応力が高い。進むべき方向を決めるまでには時間がかかるが、方向が決まれば短い時間で新しいシステムに適応する。日本の過去の歴史でも6世紀の仏教伝来、1633年の鎖国、明治維新、第2次大戦後それぞれ混乱を乗り切って新しいシステムに適応してきた。21世紀の変革はIT、環境、エネルギーでおきるだろう。日本の課題は少子化で、いままでに経験しなかった移民問題が表面化し、外国人の受け入れ方を決めなければならない。現在の転換期を乗り切り21世紀を築くためには、教育を受けた人を育てる必要があり高等教育を充実する必要がある。

 ドラッカーは日本の将来を比較的楽観的に見ているが、悲観的な見方をしても夢や希望が生まれない。21世紀に日本が世界から取り残されないためには、現在かかえている問題をひとつひとつ解決するしかないだろう。