前期旧石器フォーラム

 秩父市主催の前期旧石器フォーラムに行ってきた。秩父市では、平成11年5月22日に、長尾根遺跡から約35万年前の石器の発見、更に平成12年2月18日に小鹿坂遺跡から約50万年前の日本最古の生活遺構と石器が発見されている。二つの遺跡の発掘に渦中の人、藤村新一氏が携わっているので報道陣が大勢つめかけていた。私も朝会場にはいるとき、TBSから今回の事件をどう思うかとインタビューを受け、プレッシャーに負け、ねつぞうしたのは2件だろうが、他の発掘にも不信感をもたれるのが残念だとコメントした。

 今回の事件は直良なおら信夫の明石原人を思い出させる出来事だった。旧石器の遺物は、アマチュアが発見して学者が権威づけることが多い。明石原人の人骨は、戦災で焼失して本当に原人かどうか検証することができなくなりうやむやになった。今回の場合は、複数の理化学的分析により十分に検証することができるだろう。フォーラムでも長尾根遺跡、小鹿坂遺跡の二遺跡の年代や環境の理化学的な分析を行っており、後一年ぐらいで結果がでると説明があった。