第一夜 ローズヒップ
 ローズヒップとはバラの実の事ですが、ティーとして用いられるのはドッグローズという種類の野生種のバラの実です。収穫した実から種子等を取り除き、乾燥させます。今回用意したのは「シェル」と呼ばれる、大きめに砕いた物ですが、もっと細かくした「ファイン」もあります。

カップに適量のローズヒップを入れ、熱湯を注いで蓋をして五分ほどそのまま待てばOK。ただ、市販のティーパックを使用した事がある人は蓋を開けた時とまどうかも知れません。ティーパックの鮮やかな紅色に比べて、かなり控えめな、ほとんど普通の紅茶のような色だからです。

味の方もティーパックの強烈な酸味に比べれば拍子抜けするほどです。実はあの「ローズヒップティー」には他にも数種類のハーブがブレンドされているわけですが、その中でも特にハイビスカスの個性が強すぎる為、味も色もローズヒップ本来の物は完全に消されてしまっている訳です。ちなみに味は基本的には酸味系で、なんとなく梅に近いという印象を受けました。梅もバラ科の植物なのでそれほど見当外れではないのかも知れません。
 最後にティーを飲み終えた後の事ですが、ビタミンCを始めとした有効成分がたっぷり残っているので実は食べた方がいいそうです。ただし、結構粘り気が強くて歯にくっつくので食べる際にはそれなりの「覚悟」が必要です。