まばたきをする瞬間にシャッタ−が切られ
わたしはその瞬間のわたしになる
いま空を見上げているわたしはさっきまでのあたしじゃあなく
いま深く息を吸い
背筋を猫のように伸ばしたわたしはもう明日のあたしだし
細胞分裂はおそろしく早い はやい
幼児期の子供のように毎日が新しく古く色褪せていく
枯れた細胞は抜け落ちる
あたらしくできたわたしは うす柔らかなぴんく色で
あたしを捕まえることができると思っているの
あたしでさえわたしが予測 つかないのに
あたしを枠のなかに押し込めるのはやめて
遠い眼でみつめないで
まばたきをしないと本当のわたしなんて
一生わかりっこない わよ