いま 強く握ってきたびいだまを
てのひらをぴんと伸ばし 放つ はなつ
・・・びいだまころりと転がった
握ってきた 堅く握っていた
執着という名の赤き 紅き玉
強く契り過ぎたからなあんにも隙間から見えなくなり
一体これが何であったのかさえ解らなくなり
それはもうそれであってそれでなくなりつつあり
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いま一度解き放つ とき
異形のもの産まれるのか見届ける とき
潮が満ち 路
いまぞ胎動のとき
羽化が始まったのか 雨が温かくなってきた
桜色の優しさ一枚
わが身よに降る