ざわざわと小うるさい凶(まが)ものたち
わたしのそばで何を囁くのか
わたしはすこうし苛立ち
手に持っている二つの勾玉の片方を
床にたたきつけたのだった
しかしてそれは 唯の石ころであった
わたしはもう一つの勾玉も投げつけてみた
するとどうであろう
それは泥であった
わたしは何を見ていたのだろうかと
長いユメから冷めた気分であった
そのとき間違いなくウグイスが
ほうほけきょうと唄い ばたばたと
羽音をさせて飛んでった
あなかしこ。