ややこがこっちを見ているわ
わたしに手を伸ばしているの
わたしを見て笑っているの
わたしの存在を忘れないでとあなたはいうの
誰が忘れられると言うのだろう
あなたは十月十日で産まれてくるはずだった
あの夜 わたしが葬らなければ
誰が忘れられるというのだろう
あの日の深い血のうみを
あなたを埋めたわたしを
いまもあなたは地底の奥で
もがき苦しみあがいているだろう
あなたはわたしを許さないのね 永遠に
それでいい
あたしはあなたを刻み込んで生きていく
産み出せなかったあなたを背負い
十字架を