あたしのなかの二つの細胞があたしを責める
左には悪魔
右には天使
悪魔はあたしにささやくのだ
喉笛をかみ裂けと 誰も信じるなと この世から消せばいいと
天使はあたしにささやくのだ
愛を与えろと 血を流すくらいの痛みで身体じゅうを傷つけろと
いつかはあたしもどちらかのかたちを選びとっていくのか
蝶がさなぎからうまれるように
蛾がまゆからうまれるように
蝉が殻から抜け出すように
空が流れるように
時が止まらないように
生が在り続けるように
瞳孔があなたをとらえるように