あの森にわたしは棲んでいた

わたしのからだには白い鱗がびっしりとならび

おおきなからだは森全体をつつみこんでいた

そうしてここで静かにおすを待つのだった

わたしの発するしろい光りにあてられて

かれらはそばにやってくる


「滋養がいるのさ 滋養がね

愛しいあたしの赤子のね」


そばに来たがさいご

帰れるものはひとりもいない

わたしが骨をくだき あたまから

のみこんでしまうから

あとには何も残らない

森がざわめくだけ


「愛しいあんたはこの子になある

愛しいあたしの赤子にね」


あんたは明日やってくる・・・







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