あのこはヒトのかたちをしている
けれどもヒトではなくしょくぶつなのだ
その愛らしい仮面に人は惑わされ愛をささげ
少女はそのたびによりいっそう美しく幻想的に成っていく
愛情とゆう養分を吸い上げ
少女の肌はいっそうつややかに
髪は風のようにたおやかに
唇は血を吸ったがごとく朱く
まなこは水晶のように透明に
月の夜には 大輪の花を咲かせ誇らしげに微笑んでいるのだ
少女を枯らすことは誰にもできない
もの言わぬどおるにヒトは堕ちていく
くすくす・・・くすくす・・・
辺りに囁くような笑い声
「そは魔性たるや天性たるや。」