時は過ぎゆく
彼も逝き彼女も逝った
しかしまだ僕はここに存在している
世の中は変化しひとのこころも変わった
だけども僕の時間はとまったままだ
皺だけが僕に流れを知らせる
もうすぐあそこに僕もいくのだろう
予感で胸がいっぱいになる
幸福に包まれた時も苦しみに満ちたあの時も
許し合ったあの時も傷つけあった時も
無にかえそう
午後の日差しが僕を包む
風が樹を揺らした
そのとき
僕の腕時計の秒針が刻むのをやめた