わたしの足元で風が凪ぐ
わたしは草原にただ たたずんでいるようだ
風だけがただ吹きぬけている
わたしのあしは根がびっしりしげりそれでいて
動けないのだ
歩きたいくせに歩こうとしないのか
歩こうとしているのに歩けないのか
それさえわからぬままに
髪がたなびく 触手のように
なにかをもとめるようにひろがっていく
繊毛となりただ静かにわたしをするりと越えていく
目を閉じよう
ただ風の音を聴くのだ
ただ風のいきづかいを
こころのうたを