あなたはもうここにはいない
さっき朝日を浴びて溶けていったものは
あなただった
あなたはろうで出来ていた
月の照る晩にしか逢えなかったから知ることができなかった
あなたをにんげんだとしんじていたワタシ
こっけいで道化師のような笑みがこぼれる
あなたの亡骸はどろどろとしたしろい液体で
あたしには何も感じることがもうできやしない
さっきまではたしかに動いていたのに
生きていたようだったのにね
あなたのからだをひとかけら拾い上げたけど
ひかりを浴びたから
手からぽたりぽたりと
こぼれていったよ