自然農のこと
(畑係り ゆき)
〔畑たより〕
 10数年前、自然農を提唱しておら
れる「川口由一」さんの著書「妙なる
畑に立ちて」(野草社出版)にめぐり
会いました。

農業のみならずあらゆることに通じる
深い内容で大変感動しました。

その後川口さんに直接お会いする機
会に恵まれ、実践されている畑、たん
ぼの見学もできました。

様々な意味で合理的なこの農法に
興味がわき、田舎にすればわずかな
面積(約200坪)ですが素人畑作人の
私達もこれまでのやり方を転換し、取
り組み始めました。
基本的に耕さず、雑草や虫を敵とせず、無肥料無農薬です。

雑草や虫を退治し耕すことは土中の微生物の環境を壊し、畑のバランスを崩
す、過施肥や農薬では野菜たちが栄養過多になり、生命力の低下から病気に
なり易くなる、その上危険な薬物を私達も一緒に採る、という図式になってしま
います。 

春に山へ行くと誰も耕さず、除草や除虫をせず、肥料、農薬を与えず、しかも
誰も種を蒔いていないのに毎年沢山の山菜達が元気に育っています。
厳しい環境の中に芽生えただけに生命力は確かなものと想像できます。

この生命力(山菜)を戴くのが理想的とは思いますが、今日山菜だけ食べていく
ことなど不可能なこと、そこで野菜を育てる訳ですが、普段私達が口にしている
野菜は品種改良を重ねた結果原種からかけ離れすっかり種も弱くなっています。

完全な自然農法で育てるのは難しく、野菜が育つためには人間が最低必要限
の手をさしのべる事になり、そのやり方が現代の自然農法と言えると 思います。

☆ 私達の「手のさしのべ方」は最初の年だけ畝を起し、以後はずっとそのまま、
殆ど水もやりません。

土が太陽に直にさらされないよう、周りを刈った草も畝の上に敷きます。
常に土が草に被われている状態で、これだと多少の日照りが続いても、水をや
らなくても大丈夫です。

畝上だけではなく、あれば谷の部分にも草を置く、こうしてかけて置いた草はいつ
か腐り発酵し、虫の死骸やフンなどと共に肥料となり土を良くしていってくれます。

種を蒔く時は種類にもよりますが、敷いた草を少しよけ、土を指で分けて種をおき、
土をかけて又草で被います。

  サニーレタス(こぼれ種から)
      トマト(種から)
      ピーマン(種から)
   ピーナッツの芽立ち
        みょうが
 人参、南瓜、南蛮、ズッキーニ
発芽したらある程度成長するまでは、雑草に負けないよう苗周りの草を刈ります。 苗の根元に太陽が当たるように刈った草は捨てず畝上に置きます。苗の生長に 勢いがつけば後は雑草と共存させます。そうなるまで季節によっては草刈りにも 追われ、それなりに大変な時もあります。 必要であれば支柱も立てたりもしなければならず、基本的にはこんな感じですが、 子供の育て方と良く似て、小さい時が肝腎のようです。
林の中では毎年木の葉が散り地面は枯葉でフワフワです。枯葉 をちょっとどけてみると中ほどは腐葉土になっています。 更に掘ると中は真っ黒く柔らかな土になっているのがわかります。 毎年木の葉や草が枯れ、虫の死骸やフンと共に様々な微生物が これらを分解し、発酵させ、完熟させています。 こうして自然界は毎年上からだけの積み重ねの営みで、 柔らかく 栄養に富んだ土を作っています。 自然農はこんな営みを手本として目指しているように思います。
 八幡平の火山性の酸性土で堅い粘土質、畑仕事が出来るのは5月〜10月迄 の6ヶ月のみ、冬には2m近い雪に埋もれる私達の畑では寒さで発酵も遅く、柔 らかな良い土になるにはどれだけの時間がかかるやら?    まだ限られた作物しか収穫はできませんが、この地に合う作物を探し育てていき たい、とそれもまた楽しみな部分にもなっています。 それでも毎年ホンの少しずつですが、土が良くなってきているのが判ります。 はえてくる雑草の種類も、よく採れる作物も変わってきています。 自然農法はよほど恵まれた条件の所でないと最初からうまく収穫はできませんし、 手作業の部分も多いので、大規模な面積では難しそうです。 自給的に自家用分程度を作るのなら、これほど自然で安全な農法は他にないの ではないでしょうか。この土地で、しっかり採れる作物を育て、そこから次々に自家 播種していけたら最高だと思っています。 この頃はあまり細かく囚われ過ぎないように米糠や、草木灰、木酢液、山の腐葉 土、生ゴミ堆肥等自然の物も使ってみたり試行錯誤しながら 楽しんでいます。
 
我が畑では

大豆、小豆、隠元、えごま、しそ、ズッキーニ、南瓜、ピーマン、ししとう、

南蛮、大根、等々は比較的良いものができますが、里芋、馬鈴薯、トマト、

胡瓜、人参、長ねぎは時によっては良くでき、かぶ類、ほうれん草、春菊、

白采などの葉ものは作りにくく、茄子は全くできません。

しっかりしたかぶと白菜を育てることが目下の夢です。
     
  
 畑の草

よもぎは畑をグルリと囲む草の王様、

背丈は2m近くにもなります。

全ては刈り取らず垣根のように残し、

その成長の順によもぎ餅や、よもぎ茶、

よもぎエキスなど色々に使って います。

スギナは畝上の女王様乾燥してふ

りかけ、お茶、温湿布の材料にも使い

ます。
ビワ葉温湿布が手当にとてもよいのですがビワは北国にはありません。

そんな時スギナは北国のビワの葉役を果たしてくれるようです。

またスギナは癌をも治すとまで言われる程の薬効があり、体調のすぐれ

ない時は、濃く煎じたお茶を毎日飲んでいるとすっきりしてくるので、おい

しく健康のためにも様々な活躍をしてくれるありがたい草と思っています。

(私はヨモギもスギナも好きですが、夫はスギナの味は苦手のよう。

お客様もスギナ派、ヨモギ派と分かれるのも興味深いところです。)

やぶかんぞうや、タネツケ花、浅月、あかざ、その他おいしく食べられる

雑草が沢山、刈ったら食べてしまうことも度々です。

自然農の畑では雑草も種類により 大切な食材仲間であり、薬草でも

あります。      
 土が硬いのでまだこんな根

 になることもある。

 でもなんとたくましい!

 自然農の大根葉は虫食いも

 なくこんなに健康的で立派、

 美味しい!


・南瓜は1年分をコンポストに貯めた生ごみを埋めた場所に
 前年の種をただブワーっとバラ撒いただけ!
 
・ズッキーニはどこまで大きくなるのか見ていたら、何と夕顔
 のような大きさにまでなってしまいびっくり!
 来年用の種として使えるかな?

・南瓜は大きく広がり場所をとります。そこで我が畑では南瓜
 にも支柱を立て蔓を誘導してみました。 大成功!

 大きな南瓜があちこちにブランブラン、とても愉快な景色で
 した。あんなに重いのに元気にぶら下がって実っていました。

 立体にすることで場所もとらずこれはお薦めです。

 ヒントは以前、伸びた蔓先が傍の木にからみつき、高い上
 の方で実を結んでいたのを見つけたことからでした。


  
※ ピーナッツは北国にはなく、出来ないものと思っていました。
 それが2006年、横浜の方から種を頂きまず蒔いてみました。
   
 丁度その夏は暑く、気温も合ったのか10月終り頃にはこの
 地で初めての収穫を得ることができたのです。

 美味しくいい豆が採れ感動しました。

 地球温暖化の影響もあり、東北の気温も少しずつ上がって
 来ています。これに伴い出来る作物もまた少しずつ変化を
 してきているように感じるこの頃です。

 (以上ここまでの記事は08.2月にまとめて記しました)

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