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梨田ハム、最速タイ36戦目で貯金10

＜オリックス３－７日本ハム＞◇１６日◇京セラドーム大阪
　日本ハムがオリックスに７－３で勝ち、貯金を今季最多の１０に伸ばした。１回に右手小指を負傷している稲葉篤紀外野手（３６）の犠牲フライで先制。２回に左ひざ裏痛を抱えるターメル・スレッジ外野手（３２）が９号ソロを放つと、４回には右足首ねんざで４試合ぶり出場の糸井嘉男外野手（２７）も２号ソロ。好調打線が今季２０度目の２ケタ安打となる１２安打で７点を奪い、打ち勝った。万全ではない中でも各選手がしっかりと働き、首位固めに入った。
　多くを語らないのはいつものこと。梨田昌孝監督（５５）が黙して、喜びを表した。今季５度目の３連勝で、貯金はリーグ最速２ケタ１０に到達。「貯金１０？　いや、それはね…。いい攻撃ができている」。閉じた唇の両端は、ニヤリと上に向いていた。
　選手たちの奮闘が目立った。先制点を生んだのは、右手小指を負傷している稲葉のバットだ。四球で出塁した田中が二盗と犠打で三塁に進むと、右翼へきっちりと犠牲フライ。「チームはいい感じでつながりを見せています。進塁打とか、ちゃんとした野球をやっている」。ノーヒットで奪った先制点。開始１０分で試合の主導権を握っていた。
　同点に追いつかれた直後の２回には、先頭のスレッジが左翼スタンドへ勝ち越しソロを放った。１０日のオリックス戦で左ひざ裏を痛め、１４日に復帰してから初めてのアーチ。４回には右足首ねんざで４試合ぶりの出場となった糸井が、右中間へ２号ソロをたたき込んで追加点を挙げた。
　「久々なので強く打つことだけを考えていました。不安はあったけど、（患部の）痛みはなかったです」。大きな故障者こそいないものの、それぞれが抱える不安。しかしグラウンドに立てば、１人１人が最高のパフォーマンスを発揮する。キャプテン稲葉は「出ている人と出ていない人の差がない。競争意識がいい方向にいっている」と分析した。
　３６試合目での貯金１０到達は、「ビッグバン打線」と呼ばれた９８年と並び、日本ハム球団史上最速。リーグ連覇した０６、０７年よりも早いペースで勝ち星を量産している。勝ち越し弾のスレッジは「チームワークがいい。まわりの選手に引っ張られて、他の選手もがんばれる」と話した。１つ前の仙台遠征では投手会が開かれて食事をともにした。４月の神戸遠征では外野手会もあった。「戦う集団」は、日々「チーム」として成長を続けている。
　小刻みに得点を重ねたスコアに、梨田監督は「（味方の）ピッチャーに元気を与える攻撃だったね」。投打の相乗効果。打率や防御率などの数字だけでは表せない強さが今のチームにはある。

菊地がピシャリ、武田久は２球で幕

　日本ハムのリリーフ陣がオリックスの追い上げムードを断ち切った。１点差に迫られ、さらに１死一塁という６回に２番手としてマウンドに上がった菊地和正投手（２６）が後続をピシャリ。梨田監督も「嫌な流れを止めてくれた。完ぺきやった」と称賛した。９回は宮西が崩れて１点を失ったが、今度は守護神武田久投手（３０）が緊急登板。わずか２球でフェルナンデスを料理した。「１回（肩を）つくっていたので、すぐにいけました。（４点差とはいえ）余裕とかはないです。あそこで打たれたら点差が縮まるところだったので」と振り返っていた。

賢介２戦連続猛打賞、波に乗って３割

　日本ハム田中賢介内野手（２７）が２試合連続の猛打賞と活躍した。４月中盤は不調で苦しんだが、最近１０試合は３７打数１９安打と打ちまくり、今月初めて打率を３割に乗せた（３割３厘）。「何で打てているのかはわからないんですけど…。１番としての役割をきっちりこなそうと思っているのが、結果につながっている」と納得の表情。チームはリーグ最速で貯金１０に到達。「波に乗っているというのは、選手の中にもあります」と笑顔だった。

藤井、反省の３勝目

　日本ハム藤井秀悟投手（３２）が５回１／３を投げ、４安打２失点で３勝目を挙げた。１回は制球を乱し、押し出しを含む３つの四球で１点を失ったが、２～４回を３者凡退に仕留めるなど踏ん張った。勝ち星はついたが「情けない投球をしてしまいました。次回は頑張れるように調整しておきたいと思います」と反省の言葉が口をついた。

5/17日刊スポーツ

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