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ダル５連勝、マー君には負けられない

＜オリックス２－４日本ハム＞◇１５日◇京セラドーム大阪
　疲れていても、状態は悪くても、勝利は譲らない。日本ハム・ダルビッシュ有投手（２２）が、クライマックスシリーズ（ＣＳ）を含め７連勝中とお得意さまのオリックスを８回２失点に抑え、５勝目を挙げた。ＷＢＣから続くフル回転の疲労で本来の投球ができず、４回に今季初めてオリックスに失点したが、要所は締めた。これで自身も開幕戦の楽天戦の黒星以降は５連勝。ダルビッシュの好投でチームは貯金を今季最多の９に伸ばし、２位楽天とのゲーム差を２に広げた。
　完全試合やノーヒットノーランとは違う、すごみがあった。エースとは…。ダルビッシュが、８回１２６球で体現した。三振はわずか４つ。それでも６安打２失点で手にした５勝目。「調子はよくないけど、粘りの投球ができました。疲れも張りも取れない。体が思うように動かない中で、どう改善していくかということ」。調子が悪くてもチームに白星をもたらす。まさに大黒柱だった。
　制球に苦しんだ。坂口の死球からはじまった４回のピンチ。ラロッカ、後藤に適時打を許し、対オリックス今季２０イニング目にして初めて失点した。６回１死一塁の場面では、けん制球を悪送球。額からは大粒の汗が流れた。
　それでも下山を併殺打に打ち取った７回から、ギアが変わった。「７、８回はまっすぐもスライダーもよくなった。だいぶ力が伝わってる感が出た。次に向けての手応えをつかみました」。最後のラロッカを１４９キロ直球で中飛に打ち取ると、グラブをたたいて喜びを表した。梨田監督も胸をなで下ろした。「今までで一番悪かったね」と言いながらも、８回２失点の内容に「２点で済ましたんやからすごい」と賛辞を送った。
　交流戦前最後の登板が終わった。７試合で５勝１敗。「ここまで疲れたことはない。いろんなことが重なって…」。背中や足の付け根の張り、ＷＢＣの激闘で疲れの残る体にムチを打ちながらも、投球回数は１２球団トップの５８とフル回転した。踏ん張りの源。それは防御率のランキングにあった。開幕から常に１番上にいる楽天田中の存在だ。
　負けられない理由がある。移動用のスーツケースは、半分ほどのスペースをサプリメント類が占めることもある。自分で発注し、チームメートへ配布する姿も見受けられる。そんなダルビッシュがＷＢＣ期間中、レッドソックス松坂やマリナーズ城島らも愛用しているサプリメントを田中に紹介した。体づくりやケアの仕方などもアドバイス。他球団、ライバルという垣根を越え、若いうちから意識を高く持つことの大切さを説いた。それを田中は体現。開幕から４試合連続完投するなど、鉄腕ぶりを発揮した。後輩の頑張りを思い出せば、マウンドで負けるわけにはいかない。
　貯金は今季最多の９に伸び、自身もオリックス戦８連勝。「オリックスはいいバッターが多い。慎重になっているから勝っているのかな。今年は特にマウンド上で冷静で、いろんなことを考え、それを実行できています」。苦境に立てば立つほど、それを大きくはね返す実力がある。

小谷野が適時二塁打で先制

　日本ハム小谷野栄一内野手（２８）が貴重な先制打を放った。３回２死満塁で左翼フェンス直撃の適時二塁打。「最近チャンスで打てていなかったので、初球からいこうと思いました」。５回無死二塁では、チームバッティング（右飛）でチャンスを広げ追加点につなげた。「前にも後ろにもいいバッターがいる。つなごうと思っているだけです」。献身的な４番打者がチームの勝利に大きく貢献した。　

賢介、３安打で３割目前

　日本ハム田中賢介内野手（２７）が３安打の固め打ちで打線をけん引した。今季４度目の猛打賞だが、オリックス戦で３度目。４回２死三塁からの適時打に「（三塁走者）村田が足を使ってかき回してくれたので何とかつなぎたかった。うまく拾えた」と、変化球を右前に運んだタイムリーを振り返った。一時は控えめの存在感だったが、ここ５試合で２０打数１１安打６打点と調子が急上昇。打率を２割９分１厘まで上げ、再び３割到達も見えてきた。　

ハムの守護神武田久、16回２／３無失点

　日本ハムの守護神武田久投手（３０）が９回を抑え、８セーブ目を挙げた。開幕から継続している無失点も１６回２／３に伸ばした。「今日は２点差があったので（目の前の）バッターを取ればいいと思いました」と振り返った。今季から抑えに代わって３５試合が終了。文句のつけようのない成績を残している。「（中継ぎと）スタイルは変わらないけど、抑えだと試合が読みやすいです」と力強かった。

稲葉誕生日記念限定チケット発売

　日本ハムは１５日、８月１、２日のソフトバンク戦（札幌ドーム）で、同３日が誕生日の「稲葉選手ＢｉｒｔｈＤａｙ記念」限定チケットを発売すると発表した。稲葉篤紀外野手（３６）の幼少期の秘蔵写真やオフショットを網羅した「特製ミニアルバム付きチケット」（５０００円、Ｓ指定席）を、各日６００セット。また「プレミアグッズ付きチケット」（２５００円、Ｃ指定席）を各日大人５００セット、こども３００セット販売する。申し込み方法など詳しくは、球団公式ホームページ、公式携帯サイトへ。　　

5/16日刊スポーツ

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