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梨田ハム、今季４度目４連勝で単独首位

＜楽天１－８日本ハム＞◇１２日◇Ｋスタ宮城
　日本ハムが４連勝で単独首位に立った。楽天との首位攻防第１Ｒは好調な打線がまたも爆発した。序盤から集中打を発揮し、２回に３安打で４点、３回も３安打で４点を奪い、勝負を決めた。スレッジが左ひざ裏を痛め、今季初めて欠場。主砲不在のアクシデントをものともせず１２安打を放ち、今季早くも１８度目の２ケタ安打は両リーグ最多だ。貯金は今季最多の８に伸ばし、２０勝パ・リーグ一番乗りを果たした。
　頂点にいることは特別なことではない。今季４度目の４連勝で、貯金は最多の８。４月２８日以来の単独首位だが、梨田監督は「（首位は）全然関係ない。そりゃ下にいるよりは上にいた方がいいけど、この時期首位にいてもどうにもならないから」。試合後の会見には、いつもと変わらない空気が流れていた。
　主砲スレッジが左ひざ裏痛で今季初めて欠場した。それでも、好調な打線に漂う空気も、いつものままだった。２回に４つの四球と３安打を絡めて一挙４点。続く３回にも相手のミスにつけ込み４点を奪い、試合を決めた。指揮官は「故障者が出ても、競争ができている」と満足そうに振り返った。
　スレッジに代わって５番に入ったヒメネスが今季２度目の猛打賞。「よかったよ。アメリカにいたときはクリーンナップを打っていたので、そのときの感じで打てました」。代打出場１度のみだった４日からのロッテ３連戦には、２軍で５本塁打のボッツが練習に参加した。実は外国人枠を争うヒメネスに危機感を持たせるという首脳陣の考えもあった。日ごろから植え付けられている競争意識。誰が出ても戦力ダウンのない打線にしっかりと結果として表れている。
　今季の２ケタ安打は、３２試合で早くも１８度目。春季キャンプでは関節注射を肩に打ちながら、打撃投手を務める梨田監督の姿があった。「投高打低」と言われた昨年のチームからの脱却へ、自らも流した汗。苦労は今、確実に実となっている。
　交流戦前最後の６連戦。スタンドに陣取った巨人スコアラーの前で、パ・リーグ首位の強さを見せつけた。バスに乗り込む直前、多くを語らなかった指揮官に代わって、ヒメネスが言った。「自分たちが一番強いチームなんだから、首位にいて当然だ」。陽気な“ヒメちゃん”の威勢のいい言葉。最後までいつもの光景だった。

八木、３年ぶりの９回完投

　３年ぶりの感触に、復活の胎動は確信へと変わった。日本ハム八木智哉投手（２５）が９回１失点完投。プライベートでも親交が深いエースのダルビッシュからスタートした連勝を「４」へと伸ばした。新人王を獲得した０６年９月１８日楽天戦以来となる９回完投だった。「疲れました。いけるところまで、いこうとは思っていました」。無欲の熱投で、単独首位へ返り咲かせた。
　急場しのぎの「代役」から、欠かせない戦力へと自力ではい上がった。先発陣が乱調で、４月２２日ソフトバンク戦で緊急昇格。その今季初陣こそ白星はつかめなかったが、これで今季４戦負けなしの３連勝。防御率１・０８と抜群の安定感で、当初は早期降格の首脳陣構想を、ひっくり返した。「このまま終わるわけにはいかなかった」。
　過去２年で失った信頼を、そんな強気のスタイルで取り戻した。直球主体でベースの両隅を丹念に突き、スライダーで打ち気をそいだ。甘い球でも差し込まれるほど「まっすぐにキレが出てきた」と鶴岡。降雨コールドで５回完封した前回５日ロッテ戦に続く「変則」の２戦連続完投、１人でマウンドを守り切った。「充実している感じだね」。梨田監督もカムバック劇に目を細めた。「内容のある試合を作れている」。八木に目覚めの春が、到来した。　

２年目村田がプロ初の適時打

　日本ハム２年目の村田和哉外野手（２３）が今季初スタメンで、プロ入り初の適時打を放った。３回１死二塁の第３打席で中前適時打。昨季は内野ゴロでプロ初打点を挙げたのに続く２打点目で、抜てきに応えた。快足も生かして二盗も決めたが、一塁走者だった８回には、稲葉の三直で飛び出して併殺。「ファームでやってきたことができずに悔しい」と反省も忘れていなかった。　

田中、３度目猛打賞でスランプ脱出

　日本ハムのリードオフマン田中賢介内野手（２７）が、完ぺきにスランプを抜け出した。２本の適時打を含む３安打で、今季３度目の猛打賞。４試合連続、計９安打の固め打ちで一時は２割２分台まで沈んでいた打率を、２割７分１厘まで急上昇させた。好調な９番金子誠からつながる上位打線へのつなぎ役として機能し、この４連勝中に７打点、６得点と貢献。単独首位へ押し上げる原動力になり「この時期とはいえ首位はうれしい。守りに入らずに攻めていく」と、個人的な５月反攻を誓った。

坂元、13日に２年９カ月ぶり先発

　今季中継ぎで１０試合に登板（０勝１敗）している日本ハム坂元弥太郎投手（２６）が、１３日の楽天戦（Ｋスタ宮城）で２年９カ月ぶりの先発マウンドに上がる。ローテの谷間を埋める形で、ロングリリーフをこなせる坂元に白羽の矢が立った。先発マウンドは、ヤクルト時代の０６年８月１８日阪神戦以来。「リリーフと同じように備えます。打者１人１人に投げるだけ。先発だと気取らないようにします」と平常心で臨む。　

5/13日刊スポーツ

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