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打線つながる！17度目２ケタＨ10得点

＜日本ハム１０－１オリックス＞◇８日◇札幌ドーム　お立ち台に並んだバッテリーの視線の先に、ベンチで拍手を送る強力援護陣が見えた。日本ハム打線が今季１７度目の２ケタ安打で１０得点。５回に２点適時三塁打を放った稲葉は「今の打線はどこからでもつながるし、どこからでも点が取れる。みんなが集中してやっています」と胸を張った。
　“着火マン”は４月の月間ＭＶＰ男・金子誠だった。５回１死から右中間を破る三塁打。「（調子は）ちょっとずつ落ちてきていると思うんですけどね」と謙遜（けんそん）する一打から、四球を挟んで４連打と後続が続いた。６回にも四球を絡めた３連打などで、打者一巡の猛攻。５点を追加して試合を決めた。
　打線好調の要因はバットだけではない。５回の金子誠、稲葉。そして６回には鶴岡が三塁打を放った。相手の守備位置と打球から判断し、常に次の塁を狙う姿勢。梨田監督も「三塁打は大きいよ。サードにいけば点が入る確率が高い」と評価した。
　積極走塁に加え、４番に入っている小谷野がバットを短く握っているように、全員が「つなぎ」の意識を持っていることが好調の要因。稲葉は「オレも（バットを）短く持とうかな。センター返しでね」。ヒーローインタビューを眺めるベンチにも、たくさんのヒーローがいる。

ダル７回無失点、今季本拠地初白星で４勝

　お得意さまから今季本拠地初白星！　日本ハム・ダルビッシュ有投手（２２）が、オリックスを７回４安打無失点に抑え、今季札幌ドームで初勝利を挙げた。対オリックスは球団別最多となる通算１１勝目。首位楽天に１ゲーム差と迫り、チームは今季最多タイの貯金５とした。
　ダルビッシュは大量援護に守られ、９２球で今季最短７回で降板。４安打無失点と完全な完封ペースだったが、梨田監督の交代の打診を受け入れた。「（完投か途中交代か）どっちでも良かったけれど、いい方にとらえた方がいい」と前向きに、余力を蓄えた。
　ＷＢＣ余波。タフな２２歳も「疲労？　それは誰でもありますよ」という。前回１日西武戦では左足付け根が登板中につりながらも、９回を投げ切ったが、明らかに異常が出ていた。この日は「とりあえずコントロールだけ、と思った」と、早いカウントから強振してくるオリックス打線を逆利用し、要所を抑えた。
　この日で、両リーグでダントツの今季５０イニング登板。状態が悪くても「（先発は）１週間に１回、仕事をしなければいけない」。
　すごみはなくとも、エースとしての責任感、内容が詰まった白星。梨田監督は「点差があったから代えた。途中からはさすが、という感じだった」と絶賛した。　

鶴岡がバットで不調のダルを援護

　日本ハム・ダルビッシュの女房役鶴岡慎也捕手（２８）が、バットで不調のエースを援護した。５点リードの６回の先頭で、右越え三塁打。２イニング連続で５得点というビッグイニングの火付け役になった。「まったく（打てる気は）ノーな感じだったけれど、ヒットが打ててうれしかったです」と、ダルビッシュとともに立ったお立ち台で笑顔。苦心のリードでもり立てたが「さすがエース」と最後まで年下の大黒柱を、立てていた。　

5/9日刊スポーツ

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