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八木雨中の熱投“５回完封”で２勝目

＜ロッテ０－２日本ハム＞◇５日◇千葉マリン
　日本ハムが、八木智哉投手（２５）の雨中の熱投で連勝を「４」へ伸ばした。５回を６安打、４四球で無失点。悪天候で制球に苦しみ、毎回ピンチを背負いながら１０残塁と要所を締めた。降雨コールドゲームの「５回完封」で０６年９月１８日楽天戦以来３年、９６０日ぶりのラッキーな完封勝利で２勝目をマーク、貯金を今季最多の５へ増やした。
　２点リードの５回２死満塁。竹原の左中間を抜けようかという打球を、背走しながら森本が好捕した。試合成立の最低条件を満たすと、小さくガッツポーズをみせた。「（５回で）中止になると思っていたので」と白星を確信しての交代。試合開始から少しずつ雨脚が強くなり、マウンドには水たまりができた。３回２死満塁のピンチで、打席に里崎を迎えると、「水を含んで重かったので」とスパイクまで下ろしているすそをいきなりまくり上げ、フルカウントからスライダーで、空振り三振に切った。
　１２勝で新人王に輝いた０６年５月１９日広島戦でのプロ初完封も雨だった。その時は９回途中降雨コールドで、８回を投げ切って達成した。だが、その後２年間は左肩痛もあり４勝、１勝止まりと苦しんだ。
　「こどもの日」のこの日、スタンドには知佳夫人と２男が応援に駆けつけていた。「（子どもから）プレゼント？　そんなん、ないですよ」。思い切り目尻を下げて照れ笑いを浮かべた。今季３戦目で自身２連勝、防御率１・１３。「ゼロからのスタートだと思っている。自分のペースで１歩１歩、しっかり結果を残したい」。再挑戦を続ける八木に、晴れの日が、またやってきた。【

ＧＷ９連戦勝ち越し決定！

　日本ハム打線の集中力が、効果満点の１勝を呼び込んだ。雨脚が強くなり始めた２回。先頭打者スレッジの技ありの「水切りショット」が決勝点になった。小林宏のカウント２－１からの外角高め１４５キロを、逆らわずに左翼方向へ。大粒の雨の影響を受けずに打球は伸び、ポール際へ吸い込まれた。
　いつ試合が中断してもおかしくない状況。「雨は関係なく先制点が欲しかった。でもあれ以上（試合を）やるとケガするよ」。スリル十分の環境の中で、故障危険性をはらむ全力疾走の必要がない一打で、八木を援護。１死後には売り出し中の糸井が安打、二盗で広げた２死二塁から、首位打者独走中の金子誠が右前適時打で、さらに１点を追加し、完ぺきに流れを引き寄せた。
　初回こそ森本が失敗したが、２点リードの４回には無死二塁から鶴岡が犠打。降雨コールドを想定し、貪欲（どんよく）に１点ずつ積み重ねていこうとした梨田監督の期待に、２人が応えた。金子誠は「延長、延長、延長ってやってきてこれだからね。走るよ、今日は」。雨の中、約１００メートル先のマイカーまで猛ダッシュする余力が、この日はあった。
　指揮官も「先制点が取れたのは大きい」と目尻を下げる白星で、今季ロッテ戦無敗の４連勝。ゴールデンウイークの過密９連戦で５勝目、天運を味方につけて勝ち越しを決めた。　

森本、好守備で完封勝利をアシスト

　日本ハム森本稀哲外野手（２８）が、好守備で完封勝利をアシストした。５回２死満塁で竹原の左中間への打球を、背走しながら好捕。５回で試合成立後にそのままコールドゲームとなったため、抜けていれば“逆転サヨナラ負け”のピンチを救った。八木が「バックに助けられました」と感謝のビッグプレー。ひちょりは「天気が悪いので攻撃よりも守備に集中していこうと思っていました」と満足の大仕事だった。

ダル「のんびりできた」梨田監督にお礼

　日本ハムのダルビッシュ有投手（２２）がわずか１日の「離脱」から、再合流した。キャッチボール、ランニングで体をほぐし、フリー打撃では二塁守備に就くなどリラックスムード。梨田監督は「疲れもだいぶとれたと思う。『ありがとうございました』って言われたかな」と、完全休養でのコンディション向上に手応え。ダルビッシュも「ゆっくりできた？　はい」と明るい表情だった。

5/6日刊スポーツ

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