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梨田ハム連勝ストップも猛打は続く

＜日本ハム５－１０ソフトバンク＞◇２１日◇東京ドーム
　日本ハムの連勝が５でストップした。先発の多田野が崩れ、４回までに７失点。一方的なゲームになってもおかしくなかったが、好調な打線が粘りを発揮した。今季１２試合目となる２ケタ安打を放ち、一時は２点差まで詰め寄った。最終回にルーキー谷元が３ランを浴び、力尽きたものの、互角の展開に持ち込んだ。２位楽天の試合が中止となったため、首位はキープした。
　ストレスが少ない壮絶な打ち合いで、日本ハムの進撃は止まった。記録的な猛打の連続での連勝は「５」でストップ。打線が連日の爆発も、ソフトバンクの空中ショーの前に散った。松中の要所での２発、締めは２点を追う最終９回。田上の３ランで５点とリードを広げられ、ジ・エンドだった。総合力では互角も、東京ドームならではの、力技に屈した。「連勝は、いつかは止まるもの」。梨田監督も後ろ髪を引かれることがない、黒星だった。
　完全に負けパターンだったが、ハラハラドキドキのシーソーゲームにまで持ち込んだ。先発多田野が序盤から乱調、初回にいきなり１点を失った。直後、その裏。２死二塁からスレッジが中前適時打で同点。２回には糸井の右翼線二塁打で勝ち越した。３回に逆転を許し、さらに４回に４点を失い５点差へ広げられたが、４、５回に計３点。必死の継投もあり、２点差の終盤勝負へ持ち込んだ。
　「多田野は７回まで何とかもってほしい」。梨田監督の試合前の青写真は豪快に崩れたが、打線がそれをリライトさせるような力強さを見せた。４試合連続、今季１５試合で早くも１２度目の２ケタ安打となる１３安打。１２残塁の拙攻は響いたが、序盤からワンサイドゲームでもおかしくない展開。最後まで逆転サヨナラ…の期待を抱かせる、ヒットパレードは健在だった。
　この日の練習前に稲葉、小谷野が早出特打を敢行した。まだ薄暗い中での志願の行動。福良ヘッド兼任、大村の両打撃コーチも見守り、助言した。首脳陣、選手が一致団結して現状を向上、維持しようという心意気は、試合の中でも随所に見せた。「最後まで粘れてね。２点差、サヨナラという場面で（９回は）いきたかった」。梨田監督はちょっとだけ未練をのぞかせたが、敗戦の弁はどこまでも淡々としていた。

多田野２被弾“遅球神話”も崩壊

　日本ハム多田野数人投手（２８）の“遅球神話”が崩壊した。計測不能の山なりボールを投じた打者はことごとく打ち取ってきたが、この日初めて、超スローボールを投じた打者に痛打を食らった。
　４回２死三塁。ソフトバンク松中にカウント２－１から得意の山なりボールを披露。今季初投げに場内はどよめいたが、惜しくもボールの判定。その３球後、２打席連続となる右翼ポール直撃弾を食らって計７失点。前回の１４日オリックス戦と同じく４回でマウンドを降りた。
　超遅球は昨季公式戦で３球、今季オープン戦を含め４球を投じてきたが、投げた打者は１００％仕留めてきた。広島シーボルは遊ゴロ、ソフトバンク・レストビッチ、西武ブラゼル、ヤクルト・ガイエルは“遅球”の後、３連続奪三振。対日本人の“初球”で、アウトにできなかったのは初めてだった。
　多田野は全体を振り返り「真っすぐで押しすぎた。抑えるには引くところも必要。勝たなきゃいけない調子だった」と神妙な顔つきだった。連勝ストップとともに神話も止まった。

金子10度目マルチで打率５割キープ

　首位打者をひた走る日本ハム金子誠内野手（３３）が２安打を放ち、この日も打率５割をキープした。４回にはチャンスを広げる中前打、５回には右翼線にポトリと落ちる適時打を放った。「当たり損ないがヒットになる。今年一番うれしいヒット」。マルチ安打は早くも今季１０度目になったが、試合後は「明日、明日」と、敗戦に気持ちを切り替えていた。

4/22日刊スポーツ

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