Topics

金子誠が日本新の７戦連続二塁打

＜日本ハム１１－５オリックス＞◇１５日◇札幌ドーム
　“日課”となった二塁までのベースランニング。日本ハム金子誠内野手（３３）が、７試合連続二塁打のプロ野球新記録を達成した。同点の６回無死満塁、カウント２－２から香月の内角直球を三塁線にはじき返す、走者一掃の適時二塁打。同点にされた直後だけに、大きなメモリアル打となった。
　金子　周りが二塁打、二塁打ってうるさかったから、放っといてくれって感じだった。でも、ノーアウト満塁（という状況）で、それよりも考えることがあったのが良かったかな。長い歴史の中で名前が刻まれるのは、うれしいね。
　チームは今季最多の１７安打。１０試合中８試合が２ケタ安打と、昨季の打線からは大きく様変わりした。その中心が、恐怖の９番打者だ。開幕から１０試合連続安打、打率５割２分８厘は堂々のリーグトップを誇る。「いつか帳尻あうときがくるんだろうな。毎日つらい日々を過ごしています」。冗談交じりに振り返れるのが、好調の証しだ。昨季は慢性的な股（こ）関節痛に苦しんだ。一時は「野球ができなくなるかも」と思ったほどだったが、「もう我慢するのはやめようと。痛いなら『痛い』って言いながらやっていくことにしようかな」。たどりついたのが、無の境地だった。
　札幌ドーム今季初勝利。お立ち台では「お待たせしました。約２万人のみなさま、今日は僕のために集まっていただき、ありがとうございました」。大歓声を浴びていたのは、いつもの金子誠だった。

５年目菊地初勝利、打者２人でゲット

　長かった暗闇に、たった９球で光が差した。菊地和正投手（２６）はお祭りムードの中で、静かに、遠かった節目にたどり着いた。プロ初勝利。試合後の場内アナウンスで初めて知った。「今、菊地って言ったなって。長く出てこられなかったのに野球をさせてくれた球団に感謝します」。７回１死一塁からフェルナンデスを見逃し三振、日高を三ゴロ。打者２人を全直球、９球勝負で仕留めると白星が舞い込んだ。
　苦節５年目、花開いた。ダルビッシュ、巨人のＭ・中村らと同じ０４年、６巡目入団。樹徳高時代は控え投手だったが、無名の上武大で花開き、プロになった。入団当初は即戦力、先発候補。制球難などを克服できなかった。昨季から本格的に中継ぎへ転向。２軍では抑えを任されたが、１軍では主に敗戦処理。「周りからもいろいろ言われてどうしていいか、分からなかった」と迷走の日々だった。
　０６年１月、大学時代に自動車教習所で知り合った麻樹夫人（３３）と結婚、転機の１つになった。昨季は禁酒し、本格的な体づくりに着手した。口に入れる飲料はミネラルウオーターだけ。利尿効果があるカフェイン等を摂取し体内バランスの崩れ、ウエートトレなどの効果が減少するのを防ぐほど、ストイックに追い込んだ。苦しい生活を支えたのも、麻樹夫人。２軍戦の遠征にも、群馬の両親とともに可能な限り、駆けつけた。時には河川敷にシートを敷いて応援。そんな純粋な献身さが、励みだった。
　ウイニングボールは、愛妻へプレゼントするという。「いつもオフの間、嫁さんをどこにも連れていってあげることができなかった。感謝しています」。今季は、オンとオフの切り替えを大事にし、アルコールも解禁した。心に、余裕もできた。自分を信じて最大の武器、速球だけで、つかんだ１勝目。「これで勝負しかない、と思っていた」。２人で信じ続けた未来にもやっと、まっすぐな道ができた。

ダル断言、マー君快投「そのうち終わる」

　好投を続けるマー君も眼中になし！？　１７日の西武戦（西武ドーム）に先発予定の日本ハム・ダルビッシュ有投手（２２）が１５日、ブルペンで５８球を投げ込んだ。ＷＢＣでともに戦った楽天田中が２試合連続完投勝利と好投を続けているが「（快投は）そのうち終わりますよ。相手にしてませんから」とニヤリ。先輩としては負けられない。

4/16日刊スポーツ

Topics
Top