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中田、打撃専念で一塁強化

＜オープン戦：日本ハム６－２オリックス＞◇１８日◇鎌ケ谷
　２軍調整中の日本ハム中田翔内野手（１９）に「一塁強化」の方針が打ち出された。１８日のオリックス戦で一塁の守備から途中出場。今季初の一塁では、ゴロ捕球こそなかったが、邪飛などを無難に処理した。梨田監督は「何となく三塁にいるときより落ち着いて見える。得意な打撃に専念できるから、三塁も練習するけど今後は一塁が主ということになる」と説明した。
　現時点で、三塁守備は安定感のある小谷野がおり、１軍昇格を考えるなら一塁守備を鍛えた方が食い込む余地はありそうだ。この日の打撃は１打席で、オリックス本柳の直球にやや差し込まれた中飛に倒れ「スライダーに意識があった」と悔しがった。ただ一塁守備については「慣れていってあとはバットで結果を残すだけ」と前向きだった。

梨田監督166センチ谷元を“お持ち帰り”

　球界一の小兵投手が“救世主”に名乗り出た。日本ハムのルーキー谷元圭介投手（２４＝バイタルネット）が、１７日にチームメートが７本塁打を浴びたオリックス打線相手に、オープン戦初登板で１回無安打無失点の好投を見せた。２軍降格中だったが、好結果で１９日以降の１軍帯同が決定した。ドラフト７位入団の１６６センチ右腕が、開幕１軍を目指す。
　慌てて荷物をまとめた谷元が、試合後、都内の１軍宿舎に戻るバスに飛び乗った。前日１７日までは千葉・鎌ケ谷生活だったが、オープン戦初登板で１軍復帰をつかんだ。１回を無安打無失点。「結果的には良かったんで、とりあえず良かった」と振り返った。
　強力オリックス打線を封じた。先頭カブレラには惜しくも四球を与えたが、続くローズを三邪飛に打ち取ると、フェルナンデス、後藤を連続見逃し三振に切って取った。左足首ねんざで今月３日以降は２軍調整だったが、２軍施設のある鎌ケ谷で巡ってきたチャンスをものにした。
　梨田昌孝監督は「（打順の）一番重いところで投げて、足の状態は１００％ではないと思うけど、それを割り引いても十分。（１軍で）連れて回ろうと思う」と評価した。同監督から急きょ“お持ち帰り”された右腕にとっては、名護キャンプ以来の１軍復帰だった。
　１７日に同じ新人の榊原が打球直撃となり、今後のメドが立っていない。抑え候補の新戦力・林も２軍調整中で、今月下旬に１軍復帰を見込むが、当初の構想からは狂いが生じている。吉井投手コーチは谷元の起用について「中継ぎで１か２イニング。抑えの（適性）テストも可能性はある」と話した。
　台所事情が苦しく、役割分担も未確定な部分が多い投手陣にとっては待っていた新戦力になる。「終盤の競った試合に置き換えると先頭打者の四球は反省点。（２軍に）落ちてこないように頑張ります」と谷元は気を引き締めた。登録１６６センチは球界一小兵の投手だが、大きな存在になりそうだ。

諒クン、痛みなし

　日本ハムのルーキー榊原諒投手（２３＝関西国際大）は１８日、静かな１日を過ごした。１７日オリックス戦の先発マウンドで、打球が左ひざ内側を直撃し、３球で降板した。この日はチームに帯同し、鎌ケ谷の施設で肩回りのトレーニング、患部のアイシング、電気治療などを行った。大きな腫れもなく「そんなに痛みはないです」と表情は明るかったが、１９日に都内の病院で精密検査を受ける。

多田野４回１失点、打球直撃影響なし

　日本ハム先発の多田野数人投手（２８）は「後遺症なし」を確認する４回１失点だった。１１日にイースタン教育リーグ（鎌ケ谷）で先発登板した際、打球を左すねに当て３球で降板。それ以来の登板だったが「打たれないのがベストだけど、力のあるボールは投げられた。打球の影響もなく安心しました」。５安打を許したが１失点にまとめた投球内容を振り返っていた。

ダル悪夢の１回「運なかった」／ＷＢＣ

＜ＷＢＣ・第２ラウンド：日本１－４韓国＞◇１７日（日本時間１８日）◇１組◇２回戦◇米カリフォルニア州サンディエゴ、ペトコパーク
　ダルビッシュ有投手（２２＝日本ハム）が、悪夢の１回に泣いた。試合開始後、スコアボードに「３」が瞬く間に刻まれた。「初回？　いい球もいっていたし、飛んだ打球のコースとか当たりとか運がなかった。非常にいい球がいっていましたから。すごくいい球場、いいマウンドで幸せでした」と振り返った。
　１回、先頭打者の李容圭に５球連続速球勝負。カウント１－３からの５球目を左前へはじき返され、負の連鎖が始まった。続く鄭根宇の初球、いきなり二盗を許してしまう。無警戒。バッテリーの一瞬の油断を突かれた。打ち取った二塁へのボテボテのゴロが内野安打となり無死一、三塁。金賢洙の二ゴロの間に先制点を献上した。さらに１死満塁から李晋映にこの日最速、真ん中低め９６マイル（約１５４キロ）を左前へはじき返され、さらに２点。短期決戦を制すために不可欠な「先手必勝」を逆にやられた。
　２回以降は１安打無失点と立ち直った。力ではねじ伏せたが、勝負で負けた。
　三塁側スタンドでは紗栄子夫人（２２）と弟翔さん（２０）が応援。バックネット裏には３０人以上の米球団スカウトが集結する全米デビュー。「明日は全力で応援します」。雪辱の機会が到来することを祈るだけだ。

3/19日刊スポーツ

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